【合格書類】2020年度/慶應義塾大学SFC総合政策学部/外国人労働者が本当に必要とする支援を行うソーシャルビジネスを立ち上げたい

tsuyuki

普段であれば、入塾しないと閲覧できない先輩の合格書類を特別に公開!
ルークス志塾目黒キャンプから慶應義塾大学SFCと慶應義塾大学法学部政治学科にW合格を果たした露木情恵さんのSFC提出書類です!

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慶應義塾大学SFC総合政策学部 志望理由書

 一際目を引く艶やかな鬣と陽の光を綺麗に反射する胴体、勇ましい目で遠くを見据える雄馬は、アーミッシュを引き連れランカスターの大地を駆け巡る。古風な生活を送るアーミッシュを隣に過ごした私の米・ペンシルバニアでの一年間は多様性で満ちていた。幼い頃は自信がなく引っ込み思案であった私は、留学先で初めて自分という存在を認め、肯定してくれる人々に出会えた。出身国やバックグラウンドにとらわれず、アメリカ社会で生きる1人の人間として扱われたことがたまらなく嬉しく自分に自信が持てたのだ。しかし、日本には1人の人間として扱われず、守られない現実もある。まさに祖母もその1人であった。

 私の台湾人の祖母は7年もの間、職場で不当な扱いを受けていた。残業手当は疎か、給料も入社当時と比べ1円も上がっておらず、他の日本人社員なら貰える休みすら確保させてもらえなかった。加えて職場仲間からは日本語の発音でいじめを受け、上司からは何か言ったらクビにするぞと圧力をかけられては発言権すら持つ事が許されなかった。

 この現状に強く違和感を覚えた私は、ハーフ上映会・未来言語作り・異文化理解についての漫画作成など20以上に上る活動に加え、実際に技能実習生の受け入れ事業を行う監理団体バンドブリッジ協同組合で活動し、外国人労働者問題解決に向けて尽力してきた。通訳として実習生一人一人の悩みに寄り添ってきたが、言語力や情報の無さに企業がつけこみ、実習生から不正にパスポートや在留カードを取り上げて束縛したり、パワハラや低賃金長時間労働を強いるなど多くの不正行為が行われる現状を目の当たりにした。この様な酷い労働環境から失踪した実習生はここ5年間で既に2万6千人を超えており、日本人の”異”に対する姿勢が整っていないことを痛感した私は、外国人への言語教育の実態を知るべく沼津にほんご教室に出向いた。

 だが、そこでは単純に日本人の”異”に対する姿勢だけでは、説明できない問題があった。それは、あるベトナム人女性は日本語が堪能であるにも関わらず上司から不当に扱われていた一方で、日本語が流暢でないタイ人男性は会社の社長の息子であることから職場での立場は高く問題を抱えていなかった。これはつまり、差別意識という議論だけに留まらず、企業の組織体制や産業構造が生み出す労使関係のパワーバランスの見直しが必要不可欠だといえるのではないか。例えば、言語の壁や法律に関しての知識不足を抱える外国人労働者に取って代わって、賃金の交渉や残業に関する抗議、職場環境の改善要求などを行う存在が必要であるのにも拘らず、監理団体は顧客の企業優先になり、マイノリティの彼らの声をもみ消してしまっている。異文化理解だけでなく、彼らが権利を主張できない、ないしは汲み取れない組織体制を見直していく必要性があるのだと痛感させられた。

 労使関係のパワーバランスが保てていない組織の原因として、まずは生活と労働とが強く結びついていることが考えられる。例えば、社宅などの福利厚生制度や私生活で困った際の相談口が企業や監理団体であること、そして何より多額の借金返済のために出稼ぎに来ていることが挙げられる。このように労働者たちの生活に労働が根付いており、声を上げれば収入はおろか生活基盤すらも奪われてしまうリスクを恐れるがあまり、現状を改善する交渉などの行動に至ることができないのだ。また、外国人労働者の労働組合が十分に機能しておらず企業組織に対抗できる仕組みがないことが考えられる。その上、そもそも言語の壁がある実習生にとって日本語の契約内容を正しく把握できず、自分の労働環境の良し悪し自体も判断できない。さらに産業構造の変化も要因として考えられる。サービス業が増えたことにより「お客様のために」という大義名分の下、滅私奉公することが正当化される傾向もあるのだ。

 このように外国人労働者の労働環境を改善する上で障壁になる事柄は複合的に存在している。私の祖母は運良く台湾好きな同僚の安藤さんが他の日本人社員に立ち向かってくれ、祖母にとって働きやすい職場を作り上げる事ができた。しかし、通訳での活動を通して数多くの外国人労働者と関わってきたが安藤さんのような人がいるケースは珍しく、労働環境は置かれた環境によって様々だからこそ「何をすればいいのか」という一般的な方策を見出せない問題に直面している。だからこそ私は外国人労働者の労働環境を改善するに至れた多くのエピソードを集め、彼らが必要とする支援のあり方は何かというボトルネックを探す研究に取り組んでいきたい。そのためにSFCへの入学後は宮垣元教授や加藤文俊教授より質的調査の方法について学んでいきたい。また杉原由美教授の異文化コミュニケーションの講義を受講し、文化・言語・価値観や習慣の差異が不均衡な力関係を生み出す状況がなぜ発生してしまうのかについても考えたい。外国人労働者の権利保護するための社会システムについても学びたい。千谷真美子教授からは労働法全体の基礎知識を習得して労働関係に関する諸問題に適切に対処できるようにしたい。そしてSFC在学中から私は外国人労働者の本当に必要とする支援を行うソーシャルビジネスを立ち上げる「実践」を行っていく。私の生涯をかけた「実践」の下支えとなる「理論」を組み立てるためにSFC入学を希望する

以上

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