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【合格書類】代々木キャンパス/慶應大学SFC総合政策学部/総合型選抜(AO入試)(5期 ミミ)

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春休み特別企画!Loohcs志塾の合格書類を毎日公開プロジェクト!
第40回は、Loohcs志塾代々木キャンプから慶應義塾大学総合政策学部(SFC)総合型選抜(AO入試)に合格したLoohcs志塾5期生・ミミさんの志望理由書です!

 「TSUNAMI? Are you OK?」これは高校2年次、「TOMODACHI プログラム」に参加した際に、現地のアメリカ人に言われた言葉である。東北から来た私に、心配の声をかけてくれることが嬉しかった。しかし、東北に対し彼らが暗い印象を持っていることに、私との距離を感じた。私は「優しさ」を持つ東北に「楽しさ」をプラスして、東日本大震災からの生活再建が終わっても活気が持続する社会を実現したい。そのために、私は「楽しい熟議」によって市民を巻き込み、そこから出た声を行政に反映させていくソーシャルプロデューサーになりたい。 そんな私の夢の始まりの場所、それがSFCだ。私は高校までの12年間で「奉仕の精神」を身につけ、課外活動やボランティア活動に積極的に取り組む傍ら、評定4.7や皆勤を獲得することで継続して努力する力を得てきた。こうした力を生かし、私はSFCで絶対にこの夢を叶えたい。

 そんな夢の原点はやはり東日本大震災だ。当時、自宅のマンションは「半壊」認定を受けた。損傷が激しかった上層階は玄関のドアが曲がって閉まらなくなり、住民は1階のエントランスに避難していた。その中で、マンションの住人がなんとか手に入れたわずかな食料を彼らにあげるなど、人々が助け合う姿を私は間近で見てきた。そんな東北には、人々の優しさが根付いていると感じた。震災直後、私はテレビで沿岸部が甚大な被害を受けているのを見て、被災地ボランティアにも積極的に参加してきた。ボランティア中、苦しい状況にある彼らが内陸部の私たちを気遣い、「ありがとう」という言葉を沢山くださった。一人一人がくれた感謝の言葉は、今でも鮮明に記憶に残っている。

 しかし、そうした活動をする中で、ある問題意識が芽生えた。それは、地域住民の声が殆ど行政に届いていないことだ。そう感じたのは、被災者から「本当に求めているものと、行政が与えてくるものが全く噛み合わない。」とか、一方的に進める巨大防潮堤建設に対し「海が見えなくなるなら津波が来たほうがマシだ。」といった悲痛な叫びを聞いたからである。行政主導で進められる復興政策によって市民の心が閉ざされ、未来へ歩んでいくような明るい活気が感じられなくなっていた。

 そこで私は、東北に活気を取り戻すには市民の意見を多く取り入れる必要があると強く思った。そんな中私は、貴塾の鈴木寛研究会が主催で東北の高校生のソーシャルアクションを支援する「FROM PROJECT」に参加し、4 ヶ月間に渡り東北の問題に向き合ってきた。高校2年次の1月には、鈴木教授が審査委員長である「FROM PROJECT」の最終審査会が行われ、私のグループは最優秀賞と「すずかん賞」に選んでいただいた。その際の鈴木教授の言葉が印象に残っている。「まさに東北は“平成の薩長”だ。東北の地域住民が自分の考えや思いを“熟議”し、東北の未来を切り拓くことによって“平成の薩長”となり、新しい地域行政のあり方を東北から日本へ、そして世界に提唱していってほしい。」という熱い言葉である。私はこの言葉に感銘を受け、「熟議」という手法を知っ た。「熟議」とは、一人一人が自分の考えをしっかり議論して意思決定をするという意味で、私が抱えていた「東北に活気が感じられない」という問題の解決策に繋がったのである。私は、この「熟議」を用いて地域住民の声が届くような行政のあり方に転換していくことこそ、現在の東北の行政・地域のあり方だと確信した。

 そこで私は、まず自分が「熟議」を小さな形でも実践しようと思い、「東北高校生未来会議 in 仙台」を主催して10年後の東北の未来を語り合う場を作った。そして、そのイベントに、一つの答えを出すことを最終目標とせず自由に議論を行っていくという「楽しさ」を取り入れることを実践した。イベントは約20人という少人数だったが、楽しさを重視したことで、全員が東北の未来について「熟議」をすることができたと感じる。しかし、会議を終えた時、私が行った「熟議」の場にはまだまだ課題があり、質・量ともにより改善できる余地があると強く感じた。だからこそ私はSFCに入学し、高いレベルの熟議を東北全体に広めていく手法について研究していきたい。

 貴塾に入学できた際には、「熟議」の第一人者である鈴木寛教授の研究会に所属し、ソーシャルプロデューサーの道を目指したい。そして、行政に携わっていらした鈴木教授のもとで、市民同士の熟議で生まれた市民の声をどのように行政と連携し、社会に反映させていくかというプロセスを学びたい。加えて、曽根泰教教授の研究会で討論型世論調査の実践に向けての運営に携わり、自分の思い描く「楽しい熟議」の実現に反映させていきたい。東北が抱えている課題は行政のあり方だけではない。少子高齢化、産業の衰退といった解決困難な課題ばかりだ。それらは複合的に絡み合う課題のため、一つの学問分野に捉われずに問題を発見し解決する力が求められる。だからこそ、SFCが最もふさわしい学び舎なのだ。

 東北が輝く未来を創造できれば、日本全体が輝く未来を創造できる。それが、鈴木寛教授の「東北は平成の薩長だ」という言葉の真の意味だと思う。私は、日本全体の課題を先取りしている東北の課題を解決することによって、 日本の明るい未来をも切り拓いていきたい。そんな未来はSFCから始まる。

以上

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