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【合格書類】代々木キャンパス/慶應大学法学部政治学科/FIT入試合格(8期 牛久保)

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第8回は、Loohcs志塾代々木キャンプから慶應義塾大学法学部政治学科FIT入試に合格したLoohcs志塾8期生・牛久保匠海さんの志望理由書です!

 アジアの小国、カンボジアでは未だに社会的弱者を蔑ろにする政治体制が続いている。独裁のもたらす経済成長によって富める者とそれにとり残される者の狭間で揺れるこの国で、国家政策によって苦しんでいる人々を私は救いたい。よって貴塾の法学部政治学科で学ぶことを強く希望する。

 これを志すようになった原点は、学校の国際教養部での活動にある。国際教養部は校内で最多部員数を誇る部活で、国際問題についての議論や講演会を行う。その中でも、特に印象に残っているのは、青年海外協力隊の一員としてカンボジアで教育支援活動を行い、貧困問題や地域格差の是正に励んできた本田氏の講演だ。その講演の中で見たカンボジアの農村部の写真は衝撃的で今でも脳裏に焼きついている。とても人が暮らせるような場所ではなく、そこに住んでいる人々の身なりもひどい。何より驚いたのは、こうした過酷な環境のもとでの生活を強いられている人が世界には多く存在するという事実であった。日々生きる中で何不自由なく生活できる私や私の周囲の環境に安堵してしまった自分もいる一方もし自分がそこに生まれていたとしたらと考えると言語化できない恐怖感すら感じた。そこで私は、まずは自分の目で実態を確かめることにし、カンボジアの農村部の子供達に体育を教える教育支援ボランティア活動に参加することを決意した。カンボジアの街並みは人とバイクが行き交い、活気溢れていた。しかし、少し裏に入るとその雰囲気は一変する。農村部の荒廃した住居やインフラ設備は、人々の経済的格差を露わにしていた。水道や電気は通っておらず、朝一番でため池に水を汲みにいくなどといった原始的な生活を強いられていたのだ。衣食住という必要最低限のものでさえ揃っておらず、自分のやってきた教育支援がほとんど効力を成していないことに無力感を受けた。教育支援だけでは貧困問題の解決に至ることは到底できないと気付かされ、貧困を引き起こす要因はより根深いところにあるのだと確信した。

 日本に帰国し、問題の深刻性を忘れることができず、カンボジアの実態に疑心を感じた。私は学生向け海外ボランティアを企画するピースインツアーの高嶋氏にお話を伺うことができた。高嶋氏は、貧困状態やそれに伴う地域格差の拡大などの本質にあるものは、共産主義国家だったポルポト政権の終焉により民主化したはずの国家が、フン・セン首相の長期政権によって権威主義体制を復活させていることが主因となっていると仰っていた。

 調べを進めると、カンボジアにおける貧困問題の抱える難点として、行政の富の再分配機能が機能不全に陥っていることがわかった。カンボジアのフン・セン首相は、1993 年のUNTACの下で行われた民主的選挙後、一貫して首相の座にあり、30 年以上実質的権力者であり続けている。そして、反体制派に対する弾圧やメディア操作を行い、強大な権力を手中に収め、「私物化」することに成功しているのだ。加えて、新自由主義によるグローバル化や、中国による巨額の支援も一因となっている。それに対して海外企業とカンボジア国内の有力者が手を組み利益を独占している実態があり、富める者と富めない者の間における格差が「固定化」されているのだ。確かに、ポルポト政権下で破壊された環境もこうした政治体制のもと、経済成長の恩恵を受けて復活の兆しを見せていることは事実だ。だが、それを背景とした権威主義体制が絶えず続き、社会的弱者を置き去りにする政策は容認できない。そして、数ある要因を理由に権威主義体制における貧困問題が発生しているのはカンボジアだけに限らない。外務省第一課カンボジア担当の大西氏に話を伺った際にも東南アジアにおける貧困問題を解決する上で「利益の独占の撤廃」は避けて通れない課題であると仰っていた。富を再分配する役割の機能不全を克服することは、著しい経済成長を遂げる東南アジアにおいて急務なのだ。

 そのために私は貴塾へ進学し、まず地域研究・比較政治学を学び、貧困問題を複雑化させる要素となる権威主義国家、グローバル経済、民主主義などの構造についての知識を深めていきたい。そして、山本教授の東南アジア地域研究を専攻し、歴史的背景を学びながらも貧困問題に向けた効果的で効率的な解決策を探りたい。さらに、内政不干渉などの弊害も攻略できような革新的な解決策を思案していくことも期待している。また、複雑に絡み合っているこの問題を確実に紐解いくためにも貴塾の横断的な学びは大きな役割を果たしてくれることを期待している。確かに貧困問題解決を目指す上で、ゴールまでの道は長く、険しいに違いない。しかし、高水準かつ多彩な知識を得られる貴学部以外での学びでは貧困問題の核心に迫ることはできないと確信している。だからこそ私は慶應義塾大学法学部政治学科に進学することを熱望する。

以上

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