東京大学のAO入試まとめ
東大推薦入試の特徴として、「女子」且つ「地方出身」が圧倒的に有利になっています。東京大学は女子学生の比率が他大学と比べ低く多様性を確保する為、2020年度までに3割にすることを目標としています。
試験問題に対し、◯か×かの一般入試では女子に優位な評価をすることはできませんが、学力・意欲・活動実績・人柄など受験生を総合的に評価する推薦入試では、女子学生を積極的に合格させることも可能です。
また、現在の東大生の学生は関東出身の学生が大半を占めていますが、学生の多様化を図るため、地方出身者も積極的に求めています。その為、「地方出身の女子」や、工学部など特に女子が少ない学部での女子受験生は特に有利になっており、推薦入試は、アファーマティブアクションとしての機能も果たしています。
またそもそも、東大を受験する人で一般入試の合格を確信している人は推薦入試を受験しない傾向にある為、東大推薦入試はライバルも少ないといえます。
東京大学の学部別早見表
【入試方式別】募集人員・倍率比較表(文系・理系・文理融合系学部)
学部 |
入試名称 |
募集人員 | 倍率 | 志願者数 | 合格者数 |
法学部 | 推薦入試 | 10 | 1.8 | 14 | 8 |
経済学部 | 推薦入試 | 10 | 2.0 | 6 | 3 |
文学部 | 推薦入試 | 10 | 2.2 | 11 | 5 |
教育学部 | 推薦入試 | 5 | 2.1 | 15 | 7 |
教養学部 | 推薦入試 | 5 | 3.8 | 19 | 5 |
工学部 | 推薦入試 | 30 | 2.2 | 51 | 23 |
理学部 | 推薦入試 | 10 | 3.1 | 37 | 12 |
農学部 | 推薦入試 | 10 | 3.7 | 11 | 3 |
薬学部 | 推薦入試 | 5 | 1.3 | 4 | 3 |
医学部 医学科 |
推薦入試 | 3 | 1.3 | 4 | 3 |
医学部 健康総合学科 |
推薦入試 | 2 | 1.0 | 1 | 1 |
出願条件の学部別早見表
学部 |
入試名称 |
出願条件 |
法学部 | 学校推薦型選抜 | 1.高等学校等を卒業、もしくは卒業見込みの者。 2.学業成績に基づいて、志願者が学年全体で上位5%以内。 3.現実の中から本質的な問題を発見し,独創的な形で課 題を設定する能力を有すること。 4.問題の解決に向けてイニシアティブを発揮できること。 5.異なる文化的背景や価値観を有する他者とのコミュニケーション能力に優れていること。 |
経済学部 | 学校推薦型選抜 | 1.高等学校等を卒業、もしくは卒業見込みの者。 2.以下の全てに該当する者とします。 ①いずれかの分野で高等学校等の生徒として卓越した 才能を有すること。 ②他者との対話性に優れ,経済分野に強い関心を有する。 ③高等学校等において英語,数学,地理歴史・公民のう ちいずれかの教科において成績が全体の10%以内。 |
文学部 | 学校推薦型選抜 | 1.高等学校等を卒業、もしくは卒業見込みの者。 2.以下の全てに該当する者とします。 ①学業成績に秀でていること。 ②人文社会系諸学に関連する分野において,卓越した能 力を有することを示す実績があること,あるいは課外活 動などの社会貢献活動で優れた成果をあげたこと。 |
教育学部 | 学校推薦型選抜 | 1.高等学校等を卒業、もしくは卒業見込みの者。 2.以下の全てに該当する者とします。 ①本学のカリキュラム履修に必要な,教科の基礎学力が あること。 ②探究学習の卓越した実績・能力を,論文,作品,発表 等を通じて示すことができること。 |
教養学部 | 学校推薦型選抜 | 1.高等学校等を卒業、もしくは卒業見込みの者。 2.以下の全てに該当する者とします。 ①自ら課題を発見して探究する卓越した能力を持つ者。 ②2つ以上の科目(志望分野に関 連する科目を含む)で卓越した能力を持つ者。 ③国際的な活動についての経験,または関心を有する者。 |
工学部 | 学校推薦型選抜 | 1.高等学校等を卒業、もしくは卒業見込みの者。 2.高等学校等の学習内容,特に理数系教科について秀でた 基礎学力を有しており,「求める学生像」にふさわしいことを客観的に示す推薦事由を有すること。 |
理学部 |
学校推薦型選抜 | 1.高等学校等を卒業、もしくは卒業見込みの者。 2.自然科学に強い関心を持ち,自然科学の1つ若しくは複 数の分野において卓越した能力を有し,グローバルに活躍 する意欲があること。これらを示す実績として,以下の (i)または(ii)もしくは両方を有すること。 (i)在学 中の特に優れた成績や研究成果など (ii)科学オリンピック<数学,物理,化学,生物学,地学,情報>,高校生科学技術チャレンジ,日本学生科学賞,国内外で開催された各種コンテストへの入賞,商品レベルのソフトウェア開発経験,科学雑誌への論文発表など。 |
農学部 |
学校推薦型選抜 | 1.高等学校等を卒業、もしくは卒業見込みの者。 2.以下の全てに該当する者とします。 ①高い基礎学力を有する成績上位者であること。 ②農学とその関連分野に関する特記すべき推薦事由 を有すること。 |
薬学部 | 学校推薦型選抜 | 1.高等学校等を卒業、もしくは卒業見込みの者。 2.以下の全てに該当する者とします。 ①学業に秀で特に優れた科学能力を有すること。 ②薬などの自然科学の分野に強い興味と研究意欲を持つ。 ③自発的に目的を設定して学ぶ能力を有すること。 ④自分の考えが論理的に伝えられるコミュニケーション 能力・文章構成能力に優れていること。 |
医学部 医学科 |
学校推薦型選抜 | 1.高等学校等を卒業、もしくは卒業見込みの者。 2.以下の全てに該当する者とします。 ①高い基礎学力とバランスのとれた人格を持つこと。 ②生命科学・医学研究への意欲と能力を持つこと。 ③医学部進学後に研究者養成のための特別カリキュラム への参加を望むこと。 ④自然科学の領域においてきわめて高い能力を持つこ とあるいは非常に優れた語学力とそれに伴う豊富な国際経験を持つこと。 |
医学部 健康総合学科 |
学校推薦型選抜 | 1.高等学校等を卒業、もしくは卒業見込みの者。 2.以下の全てに該当する者とします。 ①健康科学を通じて社会に貢献することを志向している。 ②高い基礎学力を有すること。 ③十分な語学力(英語力)を持つこと。 ④チャレンジ精神に富み,忍耐力,柔軟性を持ち,自己 を高めることのできる精神力を持つこと。 ⑤自然科学領域の高い能力及び科学的探究心を持つこと。 ⑥チームの調整力,リーダーシップを有すること。 |
出願書類の学部別早見表
学部 |
入試名称 |
出願書類 |
法学部 | 学校推薦型選抜 | ・調査書 ・志願書 ・推薦書 ・上記出願条件に合致することを具体的に証明する資料 <例> ・ 志願者の問題発見能力や課題設定能力を証明する論文 ・ 社会に貢献する活動の内容を具体的に証明する資料 ・ 留学経験など,志願者が異なる文化的背景や価値観への理解を有することを示す資料 ・ 国際通用性のある入学資格試験における優秀な成績を証明する資料 ・ 外国語に関する語学力の証明書 |
経済学部 | 学校推薦型選抜 | ・調査書 ・志願書 ・推薦書 ・上記出願条件の2の① に該当すると判断できる客観的根拠を示す資料 <例> ・ 全国レベルあるいは国際レベルのコンテストやコンクール(例えば数学オリンピック)での入賞記録あるいは論文採択記録 ・ 語学力の試験において高得点を取ったこと示すもの ・ 留学を含む様々な国際的活動で,その内容が第三者によって高く評価されたものについて,その詳細や評価内容を記した文書 |
文学部 | 学校推薦型選抜 | ・調査書 ・志願書 ・推薦書 ・論文(日本語)。 →在学中に 「総合的な学習の時間」や自主的な研究活動,社会貢献活 動などを通じて学んだことをもとに,文学部でさらに追究したいと考えていること |
教育学部 | 学校推薦型選抜 | ・調査書 ・志願書 ・推薦書 ・上記出願条件に該当することを示す客観的根拠となる以下の資料 <例> ・在学中に作成した論文,作品,発表の内容を示す資料等で志願者の卓越した探究能力を示すもの。 ・ 上記に関して,国際的若しくは全国的なコンクールやコンテストでの受賞歴や学会の高校生セッション等での発表経験などがある場合,それを証明する資料。 |
教養学部 | 学校推薦型選抜 | ・調査書 ・志願書 ・推薦書 ・上記出願条件に該当する客観的根拠として,以下のいずれかの資料 <例> ・ 在学中に執筆した課題論文等 ・ 科学オリンピックなど志望分野にかかわる各種コンテストの成績 ・ 外国語に関する語学力の証明書 ・ 国際通用性のある入学資格試験の成績を証明する資料 ・ その他,特筆すべき活動の成果 |
工学部 | 学校推薦型選抜 | ・調査書 ・志願書 ・推薦書 ・出願条件に合致することを具体的に示す以下の資 料 <例> ・「求める学生像」に記載されている要件を客観的に示す説明書 (A4用紙4頁以内) ・本人の能力をよく知る人物による推薦書2通以内 |
理学部 | 学校推薦型選抜 | ・調査書 ・志願書 ・推薦書 ・出願条件(ii) に該当する客観的根拠を示す資料 <例> ・表彰状/認定証のコピー, 受賞論文,開発したソフトウェアの概要資料,科学雑誌に 掲載された論文など |
農学部 | 学校推薦型選抜 | ・調査書 ・志願書 ・推薦書 ・出願条件に該当する客観的根拠を示す以下の1~3の資料 のうち,少なくとも1つの提出。 1 研究成果あるいは論文 2 活動実績等の資料 3 各種コンテスト参加者はその成績 |
薬学部 | 学校推薦型選抜 | ・調査書 ・志願書 ・推薦書 ・出願条件の客観的根拠を示す以下の資料のうち, 少なくとも1つの提出。 1.科学に関連する,学会・研究会での発表を証明する資料,論文 2.科学オリンピックなど各種コンテストにおいて顕著な成績を挙げたことを証明する資料 3.国際的な活躍を裏付ける資料(高い英語力を証明する資料,留学経験や国際活動を証明する資料) 4.社会貢献活動,芸術・文化,スポーツでの意欲的な活動やリーダーシップを発揮した実績 |
医学部 医学科 |
学校推薦型選抜 | ・調査書 ・志願書 ・推薦書 ・出願条件に該当する客観的根拠を示す資料 <例> ・ 日本生物学オリンピック,国際生物学オリンピック,高校生科学技術チャレンジ,International Science and Engineering Fair ,全国物理コンテスト,国際物 理オリンピック,全国高等学校化学グランプリ,国際化 学オリンピックなど各種コンテストにおいて顕著な成績を挙げたことを証明する資料 ・ きわめて高い英語の語学力(TOEFL iBT 100点以上ある いはIELTS 7点以上に相当する英語力)及び豊富な国際経験を示す資料 |
医学部 健康総合学科 |
学校推薦型選抜 | ・調査書 ・志願書 ・推薦書 ・出願条件に該当する客観的根拠を示す資料 <例> ・ 高いチャレンジ精神を示す課外活動についての資料 ・ 高いリーダーシップ,チームの調整力を示す組織のリーダー的役割(生徒会長,文化祭運営委員長など)の経験を証明する資料 ・ 学内外における研究発表会・コンテストなどにおいて顕著な成績を挙げたことを証明する資料 ・ 高い英語の語学力を示す資料 |
二次試験の学部別早見表
学部 |
入試名称 |
二次試験 |
法学部 | 学校推薦型選抜 | ・グループディスカッション ・面接 |
経済学部 | 学校推薦型選抜 | ・面接(30分) |
文学部 | 学校推薦型選抜 | ・小論文 ・面接 →10分以内のプレゼンテーション及び質疑応答 |
教育学部 | 学校推薦型選抜 | ・発表 →出願書類の内容について発表(質疑応答あり) ・面接 |
教養学部 | 学校推薦型選抜 | ・小論文等 →望学科・コースの学問領域に 関する問題意識や必要な能力を問う ・面接 |
工学部 | 学校推薦型選抜 | ・面接 |
理学部 | 学校推薦型選抜 | ・面接 →志望学科の順位を踏まえ,各学科で要求される基礎学力や思考力,コミュニ ケーション能力を問う |
農学部 | 学校推薦型選抜 | ・面接 →農学とその関連分野に対する興味と理解力を問う |
薬学部 | 学校推薦型選抜 | ・面接 →高等学校等における特筆すべき活動,薬学部の志望理由,大学・大学院卒業 後の自己の将来像に関して発表(A4用紙2枚程度用意OK) |
医学部 医学科 |
学校推薦型選抜 | ・プレゼンテーション(質疑応答あり) →ポスター作成し、高等学校等在学中に行った主に自然科学に関連した活動と大学入学後の抱負について10~20分程度で説明。 |
医学部 健康総合学科 |
学校推薦型選抜 | ・プレゼンテーション(質疑応答あり) →ポスター作成し、高等学校等在学中に行った自然科学・健康科 学・人文科学等に関連した活動と大学入学後の抱負について10分程度で説明。 |
Loohcs志塾の考察
併願におすすめの大学
併願におすすめの大学は、大阪大学や東北大学です。
大阪大学は、東京大学と同様に倍率が他大学と比べても低くなっており、出願条件をクリアできていれば併願することをお勧めします。
東北大学は、特に英語などの語学力に自信がある方はそれに特化した推薦入試があるので、併願にチャレンジしても良いかもしれません。
最近の東京大学の入試トレンド
推薦入試で合格を掴むためには、各学部の学問分野の理解が肝要です。東大の一般入試と推薦入試の最大の違いは、「飛び級制度」と「進学振り分け」が無いことにあります。
一般入試では、成績に基づき進学振替えされますが、推薦入試の場合、経済学部なら経済学部と、合格時に学部が決まります。さらに、推薦入試の合格者は特別な許可に基づいて、前期課程(1、2年生)で後期課程(3、4年)の授業を、後期課程で大学院の授業を履修でき、実質的に「飛び級」できるような制度になっています。
そして当然のことながら、こうした制度を活用する東大推薦入試では、各学部での具体的な学習計画、学びへの強い意欲が求められます。つまり、推薦入試では、「この学部で◯◯を学びたい」という「想い」こそが加点対象になるということであり、大学で学びたい学問が決まっている人が「圧倒的に有利」になります。
もちろん、そのような想いを元々持っていない人でも、専門的な対策をしたり、学問領域について理解を深めたりすれば、非常に合格しやすくなります。
そのためには、大学から公開されている情報を収集したり、東大の学部生と語り合ったり、学問書・学術書の入門書を読んだりすることも必要になるでしょう。さらに可能であれば、自ら論文を執筆できると、単なる学問への理解にとどまらず、入試において自分の活動実績の一つにもなります。
合格事例紹介
2012年の創業以来、難関大学を中心に一貫して高い合格実績を誇ります。そうして卒業した塾生・合格者のネットワークが、高校生たちの大学受験を支えるコミュニティとなっており、AO義塾の指導の品質につながっています。
