慶應義塾大学文学部の自主応募制推薦(公募・AO入試)とは?書類対策から二次試験のコツまで解説します!
慶應義塾大学文学部の自主応募入試とは?
自主応募入試の概要
慶應義塾大学文学部では、「文学部の従来の入学制度とは異なる視点から入学者選考を行うこと」を目的として文学部自主応募推薦入試が実施されています。
一般の学力考査とは異なった視点・尺度を導入することによって、さまざまな資質を持ち、慶應義塾大学文学部への志望動機が明確で意欲的な皆さんに対し入学の道を開くことにある、と入試要項に記載があります。
この制度は文学部の従来の入学試験制度とは異なる視点から入学者選考を行うことを目的として設けられ、17の専攻を持つ文学部の多様性を一層深めることが期待されています。
自主応募入試の特徴
受験資格があれば、合格のチャンスが大きい
文学部は一般入試が580名の枠があるのに対し、この自主応募推薦入試は120名の枠があり、かなり多くの塾生を自主応募枠で募集していることが分かります。
倍率も一般入試と比べて2/3程度と低いです。
その為、慶應義塾大学文学部を強く志望していて、評定平均が4.1以上かつ現役高校生という出願条件をクリアしているのであれば、文学部自主応募推薦の受験を検討することを推奨します。
提出に必要な書類の力が少なく、必ず二次試験に進める
自主応募推薦では、試験は大きく分けて「書類審査」と「総合考査」(論述問題)の二つがあります。
書類は選抜の重要な要素ではありますが、FIT入試やSFCの総合型選抜(旧AO入試)のように2000字の志望理由書の提出を求めているわけではありません。
また、受験生自身が用意しなければならないものは「自己推薦書」だけで、「評価書」や「調査書」はしっかりと依頼さえすればきちんと準備してもらえます。
この「自己推薦書」は800字程度で書き上げることができ、準備の負担がかかりにくいため併願もしやすくなっています。
更に書類審査で不合格となり、二次試験に進めないと言ったようなことはありません。書類を提出すれば、必ず「総合考査」を受験することができます。
設問は文の読み取りから自分の考えの記述まで幅広く、難易度は低くありません。
しかし、十分に対策しておくことで合格のチャンスを掴むことができます。
アドミッションポリシーに沿った人材を求めている
慶應義塾大学文学部入試に限らず、総合型選抜(AO入試)ではアドミッションポリシーがあり、そのポリシーに沿った人材を求めています。
慶應義塾大学文学部がどのような学生を求めているのか、実際にアドミッションポリシーからみてみましょう。
文学部では次のような資質・能力を有する学生を求めている。
●慶應義塾の精神に対する十分な理解、および学問に対する意欲と向上心
●先人による古典類から最新の研究成果が書かれた論文に至るまでの諸文献を読み込み、理解するための基礎となる語学力(日本語、および英語・フランス語・ドイツ語・中国語)
●与えられた課題に対して論理的に思考し、それに対する自分の考えを正確かつ十分に記述する能力
●現在の社会や文化の成り立ちを理解するための基礎となる歴史的な知識(日本史又は世界史)
これらは、文学部が設置しているすべての専攻(哲学、倫理学、美学美術史学、日本史学、東洋史学、西洋史学、民族学考古学、国文学、中国文学、英米文学、独文学、仏文学、図書館・情報学、社会学、心理学、教育学、人間科学)に共通しており、入学後、それぞれの専攻における独自のカリキュラムに従って、専門的な知識や能力を身につけてゆく。したがって、文学部に入学する者は、これらの専攻が対象とするいずれかの学問に対する関心・好奇心を有することもまた必要である。
以上の方針に基づき、一般選抜を実施する。
https://www.flet.keio.ac.jp/about/policy/index.html
慶應義塾大学文学部自主応募入試の基本情報(募集要項)をまとめました
【入試方式別】募集人員・倍率 | 令和3年度
学部 | 入試名称 | 募集人数 | 倍率 | 志願者数 | 合格者数 |
文学部 | 自主応募入試 | 120 | 2.9 | 350 | 125 |
慶應義塾大学 受験生向け大学案内 から引用
出願日程 | 令和4年度
出願方式 | 出願〆切 | 入試実施日 | 合格発表日 | 入学手続き〆切 |
自主応募入試 | 11/4(木) | 11/21(日) | 11/26(金) | 12/17(金) |
募集要項/応募資格 | 令和4年度
出願方式 | 評定平均 | 英語力 | その他必須資格 |
自主応募入試 | 全体の評定平均4.1以上 | 不問 | なし |
提出書類 | 令和4年度
出願方式 | 書類概要 |
自主応募入試 | ・調査書 ・評価書 ・自己推薦書 |
二次試験 | 令和4年度
試験名 | 試験概要 |
自主応募入試 | ・総合考査I (120分) ・総合考査II(60分) |
慶應義塾大学文学部自主応募入試の対策法を解説します【書類準備編】
自己推薦書の対策法
まず、提出書類には「自己推薦書」というものがあります。
この書類は他大学でいう志望理由書にあたるもので、限られた白紙スペースでどれだけ熱意や魅力を伝えられるかが鍵になってきます。
問われる内容とポイントをしっかり把握して、書類を練り上げていきましょう。
自己推薦書の内容
自己推薦書には2つの質問項目があります。内容は以下の通りです。
Q1.高等学校では何に力を入れ、どのような成果を上げましたか。具体的に書いてください。(資格を取得した場合は、そのことについても触れてください。)
Q2.文学部をなぜ第一志望としたのですか。また、文学部で何を学び、将来、どのように活かそうと考えていますか。具体的に書いてください。
自己推薦書の書き方
Q1.高等学校では何に力を入れ、どのような成果を上げましたか。具体的に書いてください。(資格を取得した場合は、そのことについても触れてください。)
この設問で聞かれていることとして、
①高等学校で何に力を入れたか。
②高等学校でどのような成果を上げたか
③高等学校でどのような資格をとったか
という大きな3つの枠組みがあります。
この全てを網羅出来ているか常に確認しながら、修正を繰り返していきましょう。
字数指定はありませんが、例年多くの志塾生は700字から800字程度でまとめています。
Q2.文学部をなぜ第一志望としたのですか。また、文学部で何を学び、将来、どのように活かそうと考えていますか。具体的に書いてください。
こちらの設問でも、
①文学部をなぜ第一志望としたか。
②文学部で何を学びたいか。
③将来学びをどのように活かそうと考えているか。
という3つの観点を含めながら書いていく必要があります。
問1同様、問2も字数指定はありませんが、例年多くの志塾生は700字から800字程度でまとめています。
調査書・評価書の対策法
文学部自主応募推薦の提出書類に、「調査書」「評価書」というものがあります。
これらは自分で作成するものではなく学校の先生にお願いすることになるので、出願直前に頼むのではなく早めに打診しておきましょう。
調査書とは?
高校1年生〜3年生の1学期(前期)前の成績が記載されたもののことです。
成績だけでなく、出席日数や委員会・部活のことなどが詳細に書かれており、「成績証明書」(成績のみ)とは異なるため、間違えないようにしましょう。
また、厳封されていることが条件であるため、受け取っても開けずにそのまま添付しなければなりません。
評価書とは?
こちらは大学指定の用紙があり、高校での成果や資格、学力や性格について担任や指導教員などに書いてもらう必要があります。
学校によっては、志望理由に繋がる内容やアピールして欲しいことなどを先生と擦り合わせて作成してもらえることもあるので、遅くとも出願1ヶ月前には頼んでおくことが好ましいです。
そして、評価書には校長先生の署名か印が必要です。学校によっては出願制限などで許可印を押してもらえないこともあるので、学校への確認を必ず行うようにしましょう。
慶應義塾大学文学部自主応募入試の対策法を解説します【二次試験編】
自主応募入試の二次試験では、「総合考査Ⅰ・Ⅱ」という小論文形式の試験が行われます。
どちらも記述問題ですが、問われる内容や回答の工夫点が異なってくるので、それぞれ対策していく必要があります。
総合考査Ⅰの内容と対策法
総合考査Ⅰは120分間の論述試験で、募集要項には「小論文形式を採り、各種資料に対する理解力、文章構成・表現力、分析力等を総合的な視点から考査します。」というように記載されています。
前述の通り、試験では現代文で扱うような10000字程度の文章資料が提示されます。
その内容について、要約や文章・筆者に対する意見論述を300字程度で書いていきます。
設問は4問程度で、それぞれ文字数は少ないものの、長い課題文の読解に時間がかかる点や、本文の一部を英訳する問題に苦手意識を感じやすい点など、対策なしでは躓いてしまうポイントも見受けられます。
日頃からできる対策として、長文を素早く読んで要点を掴む練習をすること、自分の持つ語彙のなかで日文英訳をしてみること、一般的な小論文の論述の組み立てを学んでおくことなどが挙げられます。
総合考査Ⅱの内容と対策法
総合考査Ⅱは60分間の論述試験で、募集要項には「与えられたテーマについての記述を評価します。」とあります。
字数は300字程度で取り掛かりやすいものの、「愛とは」「文学部の存在意義とは」「暴力とは」といった抽象度の高いテーマが毎年出題されています。
色々な話へと繋げていきやすい反面、〇〇とは、といった哲学的思考を得意としない人にとっては、アイデアがうまくまとまらないこともあります。
どんなテーマがきても納得する文章が書けるように、まずは知識の引き出しを増やすことが重要です。
過去問や論述キーワード集などからも様々なアイデアを得て、他の問題との関連性や自分の意見の論拠として蓄えておけば試験にも活かせるでしょう。
そして、抽象的なテーマであっても回答は具体的な内容を書いていくことが重要です。
「テーマについてどういう考えを持つか?」「どうしてそう思ったのか?(原因、根拠となる経験)」など、曖昧な主張は避けて、少ない文字数の中で自分の意見を伝え切ることを意識しましょう。
慶應義塾大学文学部の併願におすすめの大学・学部
慶應義塾大学内のおすすめな併願先としては法学部があげられます。
得にFIT入試のB方式であればA方式よりも評定平均等にて条件が厳しい為その分倍率も低いです。
加えて、二次試験は総合考査という文学部の自主応募推薦の二次試験に似た試験内容となっており、併願しやすいと言えるでしょう。
他大学で、併願におすすめな大学は青山学院大学等です。
青山学院大学は、スポーツに優れた者入試と自己推薦入試の二つがあり、自己推薦入試の方は、出願条件及び審査共に高い英語能力が要求されますが、語学力に十分な自信があれば非常に合格しやすいでしょう。
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