【慶應生が伝授】慶應文学部 自己推薦入試の書類作成のポイントをまとめました!

はじめに
慶應文学部自己推薦入試に臨むにあたり、
「出願書類でどんなことを書けばいいかわからない…」
「自分のアピールポイントが見当たらない…」
「そもそも何が必要なの?」
と出願書類作成にお悩みの方はいらっしゃいませんか?
本記事では、そんな皆さんの悩みを解消し、より合格に近づくための書類作成のポイントを伝授します。
慶應文学部はどんな学部?
慶應文学部の特徴として、大きく二つ挙げられます。
まず一つ目に学べる領域が広いという点です。
皆さんは「文学部」と聞いた時、文学を学ぶ学部などを想像するかもしれません。しかし、慶應文学部で学べるのはそれだけではありません。
慶應文学部は、以下のような17の専攻と2部門で構成されていて、それらの学問分野を横断できるので、幅広い学びを得ることができます。
哲学系 | 史学系 | 文学系 | 図書館情報学系 | 人間関係学系 | 自然科学系・諸言語 |
哲学 | 日本史学 | 国文学 | 図書館情報学 | 社会学 | 自然科学 |
倫理学 | 東洋史学 | 中国文学 | 心理学 | 諸言語 | |
美学美術史学 | 西洋史学 | 英米文学 | 教育学 | ||
独文学 | 人間科学 | ||||
仏文学 |
2つ目は、専攻決めが2年次に行われる点です。
他大学では、大学入学前に専攻(学科)まで決めて出願するところが多いですが、慶應文学部は大学2年次に専攻を決めます。
総合型選抜入試で、やりたいことや学びたいことが決まってるという人もいるでしょう。しかし大学で学んでみたらやりたいことが変わってしまうのではないかと不安な人もいるのではないでしょうか。そのような人にとって、大学に入学し一度しっかり学びを得てから専攻を選べるという点は、大変魅力的だと思います。
慶應文学部の自主応募推薦入試(自己推薦入試)
試験概要
慶應文学部の自己推薦入試は、出願書類の提出と小論文試験の二つで構成されています。1次合否のようなものはなく、書類と小論文の両方が評価され合否が決定します。
他大学と違い、面接が課されていないのが特徴でしょう。
出願資格として、現役生であること、評定平均4.1以上であることが定められています。
資格等それ以外の条件はないので、自分が2つに該当するか、学校に暫定の5段階評価を聞いておくなどしっかり確認しましょう。
また、慶應文学部は専願です。合格した場合は必ず入学しなければなりません。出願する際には他大学の受験スケジュールを確認することを忘れずに!
出願書類作成のポイント!
一次で出願する書類には、「自己推薦書」「調査書」「評価書」という3種類があります。
この中で自分で作成する必要があるのは「自己推薦書」だけで、残りは学校に書いてもらう必要があります。
それぞれどんな書類なのか、どんなポイントがあるかについて見ていきましょう。
自己推薦書の作成ポイント
自己推薦書とは、他でいう志望理由書にあたる書類です。
設問は2つあり、問1では高校での成果、資格について、問2では志望理由と学びたいこと、将来の展望を問われます。
字数指定はなく、空欄に文字を書いていくこととなりますが、余白サイズ的にそれぞれ700〜800字程度で書いていくのが好ましいでしょう。
問1の内容
問1「高等学校では何に力を入れ、どのような成果を上げましたか。具体的に書いてください。(資格を取得した場合は、そのことについても触れてください。)」
まず、上の問1の問題を分析してみましょう。聞かれていることは大きく分けて3つありますね。
①高等学校で何に力を入れたか
②高等学校でどのような成果を上げたか
③高等学校でどのような資格をとったか
当たり前のように感じるかもしれませんが、書いて修正する過程の中で、いつの間にか抜け落ちていることも多いので、常に問題に沿っているか確認しながら書きましょう。
問1のポイント
聞かれていることは3つありますが、それぞれを分けて書く必要はありません。
ですが、何をやってきたのかをただ列挙するだけでは伝わりにくくなってしまいます。
なので、「私が高校時代に力を入れたことは〜つある。1つ目は〜…2つ目は〜…」というように、いくつかのまとまりに分けて書いていきましょう。
内容の順番としては、自分の中で特に伝えたいと思うものから書いていくのがおすすめです。
①・②の内容としては、委員会や部活、文化祭などのイベントのことを書く塾生が多いです。
「具体的に」と言われているので、高校生活で自分が頑張ったことを織り交ぜながら書きましょう。
その際に、他の人から見ても頑張ったことが分かってもらえるような書き方をするのが重要です。表彰された経験や順位などの客観的な事実があると、なお良いです。
③の内容としては、英語資格や漢検、その他自分が取得した資格を記載すると良いでしょう。資格情報だけでなく、獲得するために工夫したこと、困難を乗り越えたエピソードなど、どのように努力したかという方法まで交えると文章の厚みが増します。
まだ英語資格などを取得していない人は、出願書類に記載できるように、勉強して取得しておくことを推奨します。
以下に問1の参考例を掲載しますので、書き方やポイントに注目しながら見てみてください。
問2の内容・ポイントが気になる!という方は次の見出しに進んでください。
問1の例
私が高校時代に力を入れたことは主に2つある。
1つ目は、メディアを通して「伝える」ということを学ぶために行った様々なフィールドワークである。メディアコミュニケーション研究所出版本や社会心理学に関する論文を読み漁るだけでなく、JIMA理事長の下村健一さん、鈴江奈々アナウンサーを始めとした有識者に自らアプローチして話を伺い、メディアのあり方や影響力、伝えることの力について議論を交わしてさらなる知見を得た。また、高校生団体「おうち時間で未来を考える会」を立ち上げ、毎週ゲストスピーカーを招きSDGsについて話し合うイベントを開催した。視覚的に訴えかけるポスターやSNSでの宣伝など伝え方を工夫したところ、年代問わず100人以上の参加者を集めることができた。
2つ目は部活・委員会・勉学という3つの鼎立を成し遂げたことである。6年間続けてきた陸上部の活動では、ハードルの選手兼指導者として練習に励む一方で、指導ノートを新しく作り、自分の苦手から考え出した練習法によって全員のタイムを0.5〜2.7秒早めることに成功した。同時に、文化祭実行委員として食堂売店の運営に携わり、2年次には最高責任者に最短就任した。全校規模でのメニューアンケートの実施や、長年変更のなかった配置の再構成による座席数の大幅増加など、最大限に工夫を凝らしたことで、歴代来場者数を更新するほどの成功を収めた。また、学業に励む傍ら、英語学習に力を入れ、登下校の単語学習や洋画でのリスニングを通じて毎日継続的に英語に触れることを心がけた。その結果、高校3年次には英検準1級を取得することができた。
問2の内容
問2「文学部をなぜ第一志望としたのですか。また、文学部で何を学び、将来、どのように活かそうと考えていますか。具体的に書いてください。」
こちらの問いも分けて整理してみましょう。
①文学部をなぜ第一志望としたか。
②文学部で何を学びたいか。
③将来学びをどのように活かそうと考えているか。
問2ではこの3点が問われています。問1同様に、この3点に対し、明確に答えを示せているかを常に意識して書いていきましょう。
問2のポイント
問2のポイントは、「いかに慶應文学部のことを知っているか」というところにあります。志望理由を書いていくときには、自分のやりたいことがどの専攻、どんな授業から学べるか、どんな教授がいるかを大学HPから知り尽くす必要があるのです。
それでは、具体的な志望理由書作成について、明確にすべき3つのポイントを紹介します。
- きっかけを明確に
どうして慶應文なのか、何を学びたいかということを書いていくにあたり、そのきっかけを明示することは欠かせません。
ただ出来事を述べるだけでなく、その時感じた「なぜ?」「どうして?」という疑問を明確にしましょう。それこそが、文学部で学びたい理由に繋がっていきます。
- わかっていること、わかっていないことを明確に
何を学びたいかを書いていく上で、先行研究などによって既にわかっていることについて知りたいと書いても、大学で学ぶこととしての説得力に欠いてしまいます。
論文や文献からわかっていることを洗い出して、まだわかっていないこと、深めるべきところを見つけ、文学部での学びとしましょう。
自分の原体験と繋げ、どういう疑問を明らかにしたいか、一貫性を持たせることが大事です。
- どのようにして学び、それをどう活かすかを明確に
学びたい内容だけがあっても、その方法やそれをどう活かすかというビジョンを提示していなければ、是非うちの大学で学んで欲しい!とはならないでしょう。
ホームページや授業シラバスを参照して、具体的な授業や学問領域、専攻まで踏み込んで書いていくようにしましょう。
慶應文学部でしか学べないことがある、というアピールができると尚良いです。
そして、文学部での学びを将来にどう活かすかにも触れる必要があります。
卒業後、得た知識をどうやって社会に役立てるか?が問われているので、研究者、NPO、職業など、自分が思い描く立場からいかに社会貢献できるかについて書くことが大切です。
ただ自分が知りたいことを学ぶ独りよがりな4年にするのでなく、その学びを通して社会や誰かの力になる!という意識を持って書類作成に取り掛かりましょう。

調査書・評価書の作成ポイント
提出書類のうち、この2つは学校に書いてもらう必要があります。
簡単に言うと、調査書は出席日数や成績が書かれた書類、評価書は学校での成果や高校時代で取得した資格などについて担任・教員に書いてもらう書類です。
どちらも自分で作成するものではなく後回しにしてしまいがちですが、書いてもらう項目が多かったり、校長の印が必要だったりと作成に時間を有する書類となっています。
出願1週間前に忘れてた!と慌ててお願いしても間に合わなくなってしまいます。
調査書は、厳封されていることが必須です。学校から受け取ったあとは、開けずにそのまま提出しましょう。
評価書は、大学が提示するフォーマットを用いて書いてもらいます。
どんなことを強調してほしいか、何をアピールしてほしいかなどを事前に先生と擦り合わせて書いてもらえる場合もあります。誰に頼むのかを含め、早め早めの打診をおすすめします。
また、校長の印が必要となっており、推薦出願の制限などがある学校については相談するようにしましょう。
書類を深める近道は、慶應文学部を知ること!
これまで見てきた書類作成のポイント以外に、大前提として慶應文学部を知っておく、ということがカギになります。
当たり前のようですが、志望理由ではなぜ慶應文なのか?なぜそこでしか学べないのか?ということを強く訴えかける必要があります。
そのためには、ホームページや募集要項、大学が掲げる精神などを読み込んで理解することが重要です。
アドミッションポリシーを熟読するべし!
アドミッション・ポリシーとは、大学が求めている人物像などを説明した、入学者の受け入れ方針のことをいいます。
大学のAO入試では、ただ優秀な受験生ではなく、大学のアドミッション・ポリシーに合った受験生を採用します。よって、アドミッション・ポリシーは、自己推薦入試で志望理由書やアピールポイントを書く上で、しっかりと理解することが必要不可欠です。
慶應文学部のホームページには、アドミッション・ポリシーだけでなく、ディプロマ・ポリシーやカリキュラム・ポリシー、学部長からのメッセージなどがあるので熟読しておきましょう。
ちなみに慶應文学部では以下のような学生を求めていると書かれています。
●慶應義塾の精神に対する十分な理解、および学問に対する意欲と向上心
●先人による古典類から最新の研究成果が書かれた論文に至るまでの諸文献を読み込み、理解するための基礎となる語学力(日本語、および英語・フランス語・ドイツ語・中国語)
●与えられた課題に対して論理的に思考し、それに対する自分の考えを正確かつ十分に記述する能力
●現在の社会や文化の成り立ちを理解するための基礎となる歴史的な知識(日本史または世界史)
https://www.flet.keio.ac.jp/about/policy/index.html
「慶應義塾の精神」とは何かと疑問を抱く方も多いと思いますが、慶應義塾大学のホームページに理念や歴史、塾長からのメッセージなどが掲載されているので、確認し、それにあった人物像であることをアピールしていくのが良いでしょう。
また、自己推薦入試の応募要項に、自己推薦入試を行う目的と特徴が記載されています。
そちらも欠かさずチェックをし、何が求められているかを把握しましょう。
シラバスや履修登録案内をチェックすべし!
また、慶應文学部のホームページだけでなく、シラバスや履修登録案内などを見ることを推奨します。それらを見て、自分が慶應文学部に入学したらどの授業を履修し、どの専攻を選ぶ予定なのかを考えてみましょう。
しかし、シラバスを見てみると、〇〇学、〇〇論などと、知らない学問分野ばかりで、シラバスだけでは結局何を学ぶのかわからないということも多くあります。
その際は、その学問分野に関する本や教授の書いた本を読んでみましょう!
本を読むと、教授が大切にしている事が垣間見えたり、大学で学ぶことが具体化できたりすると思います。
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さいごに
今回は、慶應文学部自己推薦入試の書類作成について解説しました!
受験生の皆さんが書類を作る上で、このコンテンツを少しでも参考にして頂けたなら幸いです。
慶應文学部の自己推薦入試は面接もないので、自分のことをアピールできるのは出願書類だけです。充分に自分の魅力が伝わるように書いて頂ければと思います。
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