総合型選抜の合格に必要な志とは?
総合型選抜では、ただ自分がやってきたことや大学で学びたいことをアピールするだけでは合格できません。**大切なのは志をアピールすることです。**ここでは総合型選抜で求められる志とは何かをお伝えします。
志とは、社会や誰かのために成し遂げたい想い
簡潔に言うと志とは、利他的な想いと、利己的な想いを併せ持ったあなたがやりたいことです。例えば「将来の夢はなんですか?」と聞かれると、あなたはなんと答えますか?「教師になりたい」「政治家になりたい」など様々な答えがあると思います。これは自分がなりたいものですので、利己的な想いとなります。
**では「その夢を通して社会のため、人のためにどう活動したいですか?」と問われたらどうしますか。答えられない場合はまだ夢の段階です。**しかしそこで「次世代の人材を育てるために教師になりたい」「機会の平等を実現するために政治家になりたい」と答えれるのであれば、それは志となります。つまり、志は夢のもう一歩先で、社会や誰かのために何かを成し遂げたい想いとなります。
ではなぜ総合型選抜では志が必要なのか。それは、1-1章でお伝えしたように大学は社会に貢献するための研究機関であるからです。大学は現代社会に目をむけ、社会や誰かのために貢献する姿勢を持っている生徒を求めているのです。
総合型選抜の第一歩は志を見つけること
志を見つけることは総合型選抜で行う対策で一番最初にやることであり、とても重要なものです。総合型選抜で自己分析をやろう!ということをよく言われていますが、これは自分の志を見つけるために行うものだと考えてください。「社会のため、他人のためになんて考えたことないよ」という受験生はよくいますが、大丈夫。それは、これまで学校などで真剣に将来のことを考えたことがないだけで、自己分析をしっかり行えば、志は見つかります(自己分析については2-2章でお話しします)。 志が見つかれば、自分がやるべきことや行きたい学部、大学も見えてきます。
志は大学に合格するために作るものではない
総合型選抜で合格するためには志を伝える必要がありますが、覚えておいて欲しいことは、**大学に合格するために作るものではありません。**大学の出願書類の中でも「大学進学後・卒業後の学修計画を記述しなさい」と出されることがあります。つまりこれは、**大学側からの「志の実現のためにその通過点である大学の学びをどう活用するのか」**という問いかけでもあります。
志は随時アップデートしていくもの
志は随時アップデートしていくものと考えてください。なぜなら、志の実現を目指して活動していると、やるべきことや問題点が具体的に見えてくるからです。
例えば「海外の人も安心して暮らせる日本にしたい」という志があったとします。最初は「互いの文化を理解し合うこと」が必要だと思って色々調べてます。すると現状では、言語・社会保障・参政権・生活保護・いじめ、などなど、様々な問題があることに気がつきます。これらを総合的に解決するためには異文化理解ではなく、法学や社会学の方が適しているかもしれません。このように、**志は自分の理解が進むにつれどんどんアップデートされていきます。**むしろ、アップデートしていかないといけないもの、と言えるでしょう。