【合格書類】代々木キャンパス/慶應大学法学部法律学科/FIT入試合格(9期 稲川)

natsuki_inagawa

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第14回は、AO義塾代々木キャンプから慶應義塾大学法学部法律学科FIT入試に合格したAO義塾9期生・稲川夏希さんの志望理由書です!

 思想家であるハンナ・アーレントはその著書『人間の条件』にて、人間の活動力を「労働・活動・仕事」の3つで表し、近代社会が労働を重視し活動と仕事を狭めることを批判した。現代においても家族の在り方やキャリア観が多様化し、正に人々が活動や仕事の幅を制限され、生活が抑圧されているように私は感じてならない。私はこれらの問題を「労働法」の観点から見つめ、真に人々が人間らしく生きられる社会を法曹として目指したい。


 こうした現代社会に対する違和感は中学3年生の時から感じていた。当時、私は自習の為に近所の日吉地区センターに通っており、そこで6歳の男の子と仲良くなった。彼は至って普通の子だったが、ある日私に「僕はおうちに帰りたくないの。」と打ち明けたのだ。その子は母子家庭で、彼の母親は生計を立てるため複数のパートに追われ、彼と接する時間は殆どないと言う。誰もいない部屋に毎日1人でいる孤独はどれほどのものであっただろうか。毎日温かいご飯を家族4人で食べ、平和と豊かさを無意識に享受していた私にとって、彼の日常は衝撃的であった。その日から、私は彼が振り絞って出した「心の声」に対して何か出来ないかと思うようになった。


 そこで私は、家庭環境等の課題を抱える子ども達を支援する「NPO法人カタリバ」の足立支部に足を運び、家庭環境や生い立ちによって、厳しい境遇を突きつけられる日本社会の縮図を目の当たりにした。そこでは家計の苦しさから栄養失調になり、学業や将来の夢を諦める母子家庭の子ども達が何人もいたのだ。現に私が参加した内閣府主催「子どもの貧困対策に関する有識者会議」においても、母子家庭の貧困が問題視されていた。彼女達は休みなく働いても年200万円の生活を強いられている。特に非正規労働者であると、困窮に拍車がかかり、その日暮らしで精一杯だという。


 そして、この問題の背景には非正規雇用を規定する労働契約法の存在があることを牧山ひろえ議員との対話を通して知った。この法は、労働者と企業との対等な契約関係と労働者保護を規定していた。しかし「契約自由の原則」により、労働者に不利な契約がなされ、「雇止め」によっていつ職を失うか分からない不安定な生活を送る労働者が増加してしまった。そこで法改正がなされ、不条理な雇用契約及び解除の禁止を明記したが、この改正内容が浸透せず、「企業にとって使い勝手が良い」低賃金労働者の確保は依然続いている。


 私はこの現状を鑑みて、逢沢一郎議員に「労働法を巡る非正規雇用社会の見直し」を提言した。これは非正規・正規雇用の区分を解消し、充分な労働環境と賃金の保障を期待したものだ。しかし後に、この私の提言は一辺倒であったと痛感することとなる。何故なら、現にヨーロッパ諸国は私の提言と同じように、全労働者を尊重しながら「同一賃金同一労働」へと大幅な転換をし、労働市場硬化を招いたからだ。一見、労働者にとって理想的なこの体制は、企業利益とのバランスを図れず、労働者を守るはずの体制が、逆に失業者を増加させた事例もある。また非正規雇用そのものの見直しも、労働者のワークライフバランスの点から好ましくない。この雇用形態は個々人に適した職務内容を選択することや時間の融通が効きやすい。よってシングルマザーといったフルタイム労働が困難な人々にとっては、不可欠な雇用体系でもある。しかし彼女達が非正規雇用に従事し続けると、キャリアアップも望めず、低賃金労働の経済的悪循環から脱却出来ない。このように企業と労働者を両睨みした法整備は困難を極めるが、この問題を見過ごすことは近年問題視されている過労死問題や外国人労働者の搾取の看過に繋がる。


 現代日本社会において、生活の糧を得るための労働とその環境は苛烈になりつつある。人々が「健康で文化的な生活」を営むためには、やはり充実した労働環境整備は急務であり、困窮する経済的弱者にとっては尚更なのだ。だからこそ私はこの問題に対して、まずは「プロボノ弁護士」として、私自身が献身的に社会に埋もれる労働者一人一人に寄り添い、彼らの基本的人権を擁護したい。


 こうした法曹になるには、慶應大学法学部法律学科の学びがどうしても必要だ。哲学や倫理学、社会学といった人文科学の探求をすることで自己よりも他者に寄り添う利他の精神と様々な人々の利益を調和させる平衡感覚を養いたい。その上で法曹の基盤をなす憲法・民法・刑法に勤しむ。そして「労働法と弱者」の問題を紐解くため、非正規雇用制度・社会保障法・労働法等を内藤恵教授の研究会で学び、会社法や商法にまで学びの領域を広げたい。加えて私は国民の自由な労働の機会を保障するには、法曹だけでなく国から民意を汲み取った労働制度提案の必要性も感じている。そのため政治家としての道も真剣に考えている。併設されている政治学科の学びも通して、人に尽くす人生を全うしたい。

以上

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