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【対策のコツ】慶應法学部/FIT入試

慶應義塾大学法学部FIT入試とは?特徴や対策法をわかりやすく解説します

目次(ページ内リンク)

慶應義塾大学法学部FIT入試とは?

FIT入試の概要

慶應義塾大学法学部のFIT入試とは、「第一志望で慶應義塾大学法学部法律学科・政治学科で勉強したい」学生と、「この学生を教えたい」という法学部教員との良好な相性(FIT)を実現しようとする入試のことです。

FIT入試は、開始以来FIT入試の入学者の成績や積極的な課外活動、卒業後の活躍などが評価され、2012年度には募集枠が60名から160名に拡大されるなど、学内で評価を受けている入試形態です。

募集人数が多い一方、出願に必要な書類が他大学の総合型選抜よりも多かったり、二次試験の難易度が高いなど、合格するためには付け焼き刃ではない綿密な努力の積み重ねが必要な入試でもあります。

FIT入試の特徴

募集人数が多く、受験チャンスが増える

前項で解説したように、2012年度から募集枠が60名から160名に拡大され、東大早慶の難関大学の総合型選抜(AO入試)の中で最多の募集枠となりました。
法学部一般入試の募集枠が460名であることを考えても非常に大きな募集枠であることが分かります。

また、2012年度の募集枠増加に伴い、方式の変更がありました。今までは1つの応募枠しかなかったものが、A方式とB方式の2つの方式で実施されることになったのです。

A方式・B方式はそれぞれ出願に必要な条件が異なり、条件を満たす受験生は併願が可能です。
そのため、条件さえ満たしていれば一般入試も含めると合計3回法学部入学へ挑戦するチャンスを得ることが出来ます。

提出書類のボリュームが多い

FIT入試では、総合型選抜でオーソドックスな提出書類である「志望理由書」に加え、A方式では「志願者調書(慶應が定める4つの質問に答える)」と「自己PR」、任意で「別添資料」提出が求められます。
B方式では「自己PR」と「別添資料」の提出は免除されますが、それでも他大学の総合型選抜に比べると文字数も多く、準備への負担がかかります。

前もって入念に準備することが、合格するための重要なポイントとなります。

二次試験の難易度が高い

FIT入試における二次試験は、A方式・B方式で受験する科目が異なります。

どちらの方式でも、法学の基礎知識や高い対応力が求められ、柔軟な発想がなければ解けない課題が出題される傾向にあります。

慶應義塾大学法学部のアドミッション・ポリシー

FIT入試とは「良好な相性(FIT)」を実現するための入試、つまり大学と学生のマッチングであると解説しました。
つまり、大学側がどのような人材を求めているかを理解し、自分の魅力を的確に伝えることが合格へのカギとなります。

大学がどのような人材を求めているかを知るには、アドミッション・ポリシーをチェックしましょう。
アドミッション・ポリシーは、基本的にどの大学の総合型選抜においても入試要項に記載されているので、必ず確認するようにしましょう。

【慶應義塾大学法学部のアドミッション・ポリシー】

法学部では慶應義塾の建学の精神を理解し、国際的な視野に立ちつつ、新しい社会を創造し先導する気概を持つ人材を求めています。
この使命の実現のため、知的好奇心・個性あふれる学生を選考する入試制度、すなわち一般入試、帰国生入試、留学生入試、指定高校長推薦入試、そして自己推薦形式でのFIT入試といった多様な入試制度を設けています。なお、FIT入試では地域ブロック枠を設定した方式も行われています。

慶應義塾大学法学部FIT入試の基本情報(募集要項)をまとめました

【入試方式別】募集人員・倍率比較表(文系・文理融合系学部)| 令和3年度
学科 入試名称 募集人数 倍率 志願者数 合格者数
法律学科 FIT入試
A方式
A、B合わせて
最大80名
6.2 248 39
法律学科 FIT入試
B方式
4.6 184 58
政治学科 FIT入試
A方式
A、B合わせて
最大80名
7.5 300 40
政治学科 FIT入試
B方式
4.6 183 56
(※倍率は各学科・方式の募集人数を40名とした際の算出となります。)
募集人数│令和4年度
法律学科 A方式・B方式合計 最大80名
政治学科 A方式・B方式合計 最大80名
出願条件の学部別早見表 | 令和4年度


出願方式      

出願登録期限 郵送書類提出期間 第一次選考合格発表 第二次選考日 合格発表日 入学手続き〆切


FIT入試
A方式
法律/政治
    
    
9月3日(金) 9月1日(水)~9月3日(金) 9月18日(土) 9月25日(土) 11/2(月) 12/17(金)

FIT入試
B方式
法律/政治
     
9月3日(金) 9月1日(水)~9月3日(金) 9月18日(土) 9月26日(日) 11/2(月) 12/17(金)
入試日程


出願方式      

出願登録期限 郵送書類提出期間 第一次選考合格発表 第二次選考日 合格発表日 入学手続き〆切


FIT入試
A方式
法律/政治
    
    
9月3日(金) 9月1日(水)~9月3日(金) 9月18日(土) 9月25日(土) 11/2(月) 12/17(金)

FIT入試
B方式
法律/政治
     
9月3日(金) 9月1日(水)~9月3日(金) 9月18日(土) 9月26日(日) 11/2(月) 12/17(金)
提出書類早見表| 令和4年度
出願方式 書類概要 補足
FIT入試
A方式
法律/政治
<共通>
志望者調書(※1)
志望理由書(※2)
<A方式>
自己推薦書Ⅰ(※3)Ⅱ(※4)
<自由提出>
添付資料
※1:1200字程度
※2:2000字
※3:A4用紙10枚以内
※4:A4用紙2枚
FIT入試
B方式
法律/政治
<共通>
志望者調書(※1)
志望理由書(※2)
<B方式>
・評価書
※1:1200字程度
※2:2000字
二次試験早見表| 令和4年度
出願方式 二次試験概要
FIT入試
A方式
法律/政治
・模擬講義(50分)
・論述試験(45分)
自己PR
口頭試問(約17分)
FIT入試
B方式
法律/政治
・総合考査Ⅰ(45分)
・総合考査Ⅱ(45分)
面接試験(約10分)

慶應義塾大学法学部FIT入試の対策法を解説します【書類準備編】

A・B方式共通/志望理由書の対策法

慶應義塾大学法学部FIT入試の志望理由書は、規定文字数が2000文字もあります。
他大学に比べ要求される文字数が多いため、余裕をもって対策を始めることが重要です。

ここでは、そんなFIT入試の志望理由書において大事な3つのポイントを解説していきます。

【1】アドミッション・ポリシーに沿った内容を作成する

FIT入試は「大学と学生のマッチング」であることは既に解説した通りです。
そのために、大学側がどのような学生を求めているかを理解し、自分こそがその学生像に合致している受験生であるとアピールすることが重要となります。

アドミッション・ポリシーには、どのような学生を求めているかが明記されているのでそれから「どのような要素が必要なのか」を紐解いていきます。
(慶應義塾大学法学部のアドミッション・ポリシー)

アドミッション・ポリシーを紐解くと、慶應法学部が求めている学生は以下の2つのポイントに集約されるといえます。

社会を良くしていきたいという思い(公共性)
国際的な視野を持っている(国際性)

これらのポイントを、志望理由書の中にうまく取り込んでいくことが合格への近道となります。

そのため、ただ「弁護士になりたい」「政治家になりたい」「○○になりたい」という志望理由では内容が不十分であるといえます。
自分がやりたいだけ、自分の目標を述べるだけになってしまっており、「公共性」に欠けているからです。

「公共性」を付与するためには、「○○となって、社会にどのような影響を与えたいか」まで記述することが必要です。
今一度、自分の志を見つめなおし、どうしたら社会に貢献することができるのか、どのような形で社会に貢献していきたいかを考えましょう。

上記のような「公共性」に加え、国際的な視点を取り入れることができれば更に良いでしょう。
(志望理由の内容によっては「国際性」はマストではありません。「公共性」を述べられるような自分の想いや将来の夢を優先しましょう)

【2】自分の経験から志望理由書のテーマを設定する

志望理由書を作成する上では、自分の夢(=志)を抱く「きっかけ」を記述することが大事です。
そしてそのきっかけには、「本で読んだ」「TVで見た」というものよりも「自分が過去実際に経験したこと」を選びましょう。

自分が過去実際に経験したことをきっかけにすると、それだけでオリジナリティが生まれるし、想いも強いように感じられるからです。

自分が今まで経験してきたことを書き出して、その経験から「社会的意義の大きいテーマ」につなげられないかどうかを考えてみましょう。

特に「自分が弱者になっていた」「弱者を救いたいと思った」エピソードは社会的意義につながりやすいです。

また、自分の経験の中にグローバルなテーマがあった場合は、アドミッション・ポリシーの「国際性」にも当てはまることになるため、エピソードとしては「強い」ものになります。
自分の経験を深堀りして、そこから「志望理由書のテーマ(自分の夢)」に繋げられないか考えてみましょう。

【3】深い問題分析を行い、解決策を提示する

アドミッション・ポリシーに沿った「志望理由書のテーマ」を設定したら、次にその問題に対して分析することが必要です。

「なぜその問題が発生しているのか」「どのようにしたら解決できるのか」を自分なりの意見で書いてみましょう。

この時、書籍やネットの知識だけではなく、自ら実際に集めたフィールドワークの知見などがあるととても説得力のある志望理由書になります。

なぜなら、自分の足と時間を使って調べるほど、そのテーマに対して真摯に向き合っているという印象が得られるからです。

フィールドワークが困難な場合は「できるだけ多様な視点」から問題をとらえるように心がけましょう。
志望理由書のテーマとなるような社会問題は、色々な事情が複雑に絡みあっている場合が多いです。
ひとつだけの視点から見た「決めつけ」のような内容にならないよう注意しましょう。

▼実際の志望理由書の例をふまえて詳しく解説します

▼FIT入試に限らない、基本的な志望理由書の書き方を学びたい方はコチラ

A・B方式共通/志願者調書(4つの質問)の対策法

次に解説する書類対策は「志願者調書」です。
この書類は慶應法学部FIT入試の独特な提出書類で、他の学校の例や志望理由書の書き方が参考にならないことも多いです。
しかし、志願者調書にも合格するためのポイントはしっかりあります。
自分の魅力を十全に伝えられるような書類を書きましょう!

志願者調書とは?

FIT入試で要求される志願者調書は、1ページ目と2ページ目で内容がかなり異なります。

1ページ目には、履歴書のように「氏名」や「出願方式」、「学歴」、「海外渡航歴」を記入します。
どちらかといえば事務的な書類といえるでしょう。

みなさんが悩むのはおそらく2ページ目。
2ページ目には、例年同じ質問が4題出題されており、それに対する自分の解答を記入する必要があります。
(この4題の質問を、ルークス志塾では「4つの質問」と呼称しています)

志願者調書「4つの質問」の内容

4つの質問の内容は、出題されるようになってから一貫して変わっていません。
出題内容は下記の通りです。

  • Q1.中学卒業時のあなたと現在のあなたを比較してその間の「人間的成長」がどのようなものであったか記してください。
  • Q2.あなたの見方や考え方に大きな影響を及ぼした事柄(書物を含む)について説明してください。
  • Q3.あなたが今もっとも関心を抱いている事柄は何ですか。その事柄とこれまでどう取り組んできたか、また今後どう取り組もうとしているか。
  • Q4.あなたが慶應義塾大学法学部の法律学科や政治学科とういう場に期待していることはどのようなことですか。

志願者調書「4つの質問」の対策ポイント

Q1.中学卒業時のあなたと現在のあなたを比較してその間の「人間的成長」がどのようなものであったか記してください。

この問いにおいて重要な点は「人間的成長」を具体的に書くということです。
高校時代のスポーツの実績や生徒会の実績「だけ」を書いても、それらの実績からどのような成長が得られたのかが分かりません。

また、「中学時代はどうであったか」という点も必ず記述するようにしましょう。
Before→Afterがあることで、読み手は「ここが成長したところなのだな」と納得することができます。

Q2.あなたの見方や考え方に大きな影響を及ぼした事柄(書物を含む)について説明してください。

ここでは志望理由書に書ききれなかった(書いていない)ことを書きましょう。
志望理由書の「きっかけ」部分の出来事を書いてしまいがちですが、あえて異なることを書いておくことで「多面的に物事をとらえている」とアピールすることが可能になります。

その事柄に出会って自分がどのように変化したか(Before→After)を文中に明記すると、読み手が納得しやすい文章になります。

Q3.あなたが今もっとも関心を抱いている事柄は何ですか。その事柄とこれまでどう取り組んできたか、また今後どう取り組もうとしているか。

ここでは「志望理由書で述べたテーマ」と整合性がとれていることがポイントになります。

今回問われているのは「あなたが今〈もっとも〉関心を抱いていること」です。
そのため、もっとも関心を抱いていることが志望理由書の内容から大きく外れてしまうと「あなたが一番やりたいことは志望理由書のことではないのかな……?」という疑問を抱かせてしまいます。

しかし、志望理由書と全く同じことを書く必要はありません。
(むしろ、全く同じことを書いてしまうのでは志望理由書の要約になってしまうのでNGです)

志望理由書のテーマに対して、志望理由書とは違う角度からその問題に取り組んでいる姿勢を書けることがベストです。

Q4.あなたが慶應義塾大学法学部の法律学科や政治学科とういう場に期待していることはどのようなことですか。

この問いも、志望理由書に記述したこと(記述すべきこと)と内容が重複しています。
ここでは、志望理由書よりも深く「なぜ慶應法学部で学びたいか」を書く意識を持ちましょう。

具体的には「どんな授業を受講したいか」「どの教授のゼミに入りたいか」「どんな環境を期待しているか」などです。

上記の解答を具体的に書くには、実際に慶應法学部へ通っている学生や卒業生へのリサーチが欠かせません。

先輩や講師にヒアリングして、自分なりの「慶應法学部で学びたい理由」を作り上げましょう。

▼実際の志願者調書(4つの質問)の例をふまえて詳しく解説します

A方式のみ/自己推薦書Ⅰ・Ⅱ(自由記述)の対策法

自己推薦書Ⅰ・Ⅱとは?

自己推薦書Ⅰ・Ⅱとは、慶應義塾大学法学部FIT入試のA方式においてのみ提出が必要になる書類です。
主に受験生自身のパーソナリティについて記入していきます。

自己推薦書Ⅰの内容

出願資格の選択

下記6つの事由の中から、自分が該当すると思うべき出願事由を1つ選択し、その根拠を簡潔に述べます。

  • 文化・芸術・技能・運動等の分野において優れた成績や成果を残したことが証明できる者
  • 学外活動や課外活動において高いリーダーシップを発揮し、そのことが何かの形でで証明できる者
  • ボランティア活動や地域の社会的活動などを熱心に行い、その実績を示せる者
  • 国際交流や開発途上国援助などの活動に積極的に取り組み、その実績を示せる者
  • 入試科目に限らない全般的な学業分野で極めて優秀な成績を納めたことを示せる者
  • その他の分野で、自己の関心や興味からユニークな実績をあげたことを証明できる者
  • 日本語以外のさまざまな外国語の学習に熱心に取り組み、かつその成果を検定試験などで証明できる者

特に、最後の「外国語の学習に熱心に取り組む者」という事由は2020年度入試から新たに追加された項目です。

外国語能力が優秀な学生を入学させたいという大学側の意図がうかがえます。
FIT入試の受験を希望するみなさんは外国語の学習に力を入れることをおすすめします。

活動報告の記入

出願資格の選択を終えたら、次は活動報告を記入します。

活動報告は、「活動内容」と「その活動があった時期」を記入することができ、全部で22個まで記入できます。

この活動報告は、後述する「別添資料」にも関連します。
思いつきで書くのではなく、志望理由書への関連なども考えて22個の活動を厳選しましょう。

逆に22個も書けない!という方も何でも良いので欄を埋めるようにしましょう。
全ての欄が埋まっていないと「薄い」という印象を抱かれる恐れがあります。

「学校で学びにつながったこと(講演会など)」や「学校で頑張ったこと(特定の科目や模試)」など些細なことでも構いません。

別添資料への紐づけを実施

22個の活動実績を記入し終わったら、その中から「別添資料」として実績を提出したい活動を選び、別添資料の資料番号を記入します。

別添資料の作り方は後ほど、「別添資料の対策法」で解説していきます。

自己推薦書Ⅱの内容

自己推薦書Ⅱでは、A4二枚分のフリースペースに「あなたがいかに魅力的な人物でありうるのか」を自由に表現します。

手書きでなければならない等の指定もありません。
(ルークス志塾では、自己推薦書Ⅱのことを「自由記述」と呼称しています)

自由度が高すぎるため、どうやって書けば良いのか悩む方も多いのではないでしょうか。
実際にどうやって書いていけばいいかの一例を解説していきます。

自己推薦書Ⅱの作成方法

自己PRを考える

まずは、自分のどんなポイントを「魅力」として伝えたいかを考えます。
その際に「慶應法学部がどのような人材を求めているか」ということを基準に考えることを忘れないようにしましょう。

また、ただ魅力を羅列するだけでなく「3つの魅力」や「5つの強み」など、情報をまとめてわかりやすくデザインするようにしましょう。

慶應法学部に入ってから達成したいことを考える

自己推薦書Ⅱの記入内容は制限がないため、人によって多様な書類が生まれます。
しかし、ルークス志塾では、自己推薦書Ⅱにも「志望理由」や「大学での学習計画」を書くことをおすすめしています。

FIT入試は、大学と受験生のマッチングであると何度も解説してきました。
そして「この学生に入学してほしい」と大学側が感じるもっとも大きな要因が、志望理由や大学での学習計画にあると考えています。

上記の内容が「大学の欲しい学生像」にFITしていればいるほど、合格の可能性が広がります。

志望理由と大学での学習計画は、そういった重要な要素であるため、志望理由書のみならず自己推薦書Ⅱでも再度記述することをおすすめしています。

▼実際の出願資料を使いながら解説したり、よくある悩みに答えます

A方式のみ/別添資料(添付資料)の対策法

別添資料とは?

別添資料とは、FIT入試A方式でのみ提出可能な書類の名称です。
提出必須である「自己推薦書Ⅰ」に記載した活動報告に紐づいた内容を、資料として提出することができます。

いままでの書類と違い、提出は任意である上、資料の上限が設定されていません
伝えたいことがたくさんある学生は、A4で50ページ以上の資料を作成する人もいます。
(量が多ければ多いほど良いというわけでもありません。伝えたい情報をすべて伝えられる量で十分です。)

用紙サイズはA4が指定されています。
手書きなどの指定はないため、パワーポイントで作成した書類を印刷して提出することも可能です。

(ルークス志塾では、別添資料のことを「添付資料」と呼称しています。学習塾によっては「ポートフォリオ」と呼ぶところもあるようです)

慶應SFC 総合型選抜(AO入試)の「任意提出資料」と同じ?

慶應SFCの総合型選抜(AO入試)でも「別添資料」のように、活動実績に紐づけて資料を提出する「任意提出資料」が存在します。

この資料は、SFCの出願形式上データ提出が必要となる以外、ほとんどFITの「別添資料」と求められる内容が同じです。

例年、FIT入試とSFC 総合型選抜(AO入試)を併願するルークス志塾生は多いですが、流用できるテーマの資料は流用して、作業量を削減しています。
FIT入試と同様にSFC 総合型選抜(AO入試)も出願資料の多さで知られていますが、転用できる書類もあるので、併願は決して難しいことではありません。

FIT入試を検討している方は、慶應SFCの併願も視野に入れることをおすすめしています。

別添資料は提出必須?合格に影響するの?

「任意提出」となると、任意と言えど提出しないと合格できないのか、はたまた提出しなくても合格できるのか気になりますよね。

ルークス志塾としては「提出しないよりは提出した方が良いが、別添資料で合否が決まることはない」と考えています。

あくまで補足資料であるので、合否を決めるほどの決定力はないというのが理由です。

しかし、FIT入試の一次試験は書類審査のみです。
審査する大学の教授は、提出された志望理由書や自己推薦書を見て質問したいことがあっても質問することはできないのです。

しかし、別添資料があればそんな教授の疑問にも答えることができるかもしれません。
あなたの活動を、より深く理解して共感してくれるかもしれません。

本気で合格を目指すのであれば、使える手段はすべて使って大学にアピールしましょう!

別添資料の作成方法

手書きで作成するか?PCで作成するか?

ルークス志塾では、別添資料の作成には基本的にPCをおすすめしています。

別添資料は量が多くなりがちで、かつ「活動報告」にしたいことが変われば都度追加したり削除したりすることも考えられる書類です。

その際に、手書きで書いてしまうと一から作成しなおす必要がでてきますが、PCであれば修正が容易です。
また、写真やイラストなどの配置もすべてPC上で完結させることができます。

そのため、特別な事情がない限りはPC上でパワーポイント等のソフトを使って作成することをおすすめしています。

(慶應SFC 総合型選抜(AO入試)に併願を考えている場合は、オンライン出願になるためよりPCでの作成をおすすめしています。)

自己推薦書Ⅰに書いた22個の活動報告の中から、資料にしたい活動を決める

実際に書き始める前に、まずは「何を書くのか」を決めましょう。

資料にしたい活動には、

  • 志望理由書に関連している活動
  • 写真が多いもの
  • 賞状やトロフィーなど、結果が形に残っているもの
  • 資格試験の結果など、合格やスコアの証明ができるもの

などがおすすめです。

また、もし22個の活動報告に収まらない「アピールしたい実績」がある場合は、自己推薦書Ⅰとの関連付けはできないものの、別添資料に記載・提出することも可能です。

写真と文章を使って実際に書いてみる

資料にしたい活動が決まったら、実際に書き始めてみましょう。

別添資料は、最大22個の活動に紐づけられるうえに、資料数の上限もないので量が多くなりがちです。
隅から隅まで読んでもらえない可能性も考慮し「写真や絵をふんだんに使った、読みやすい資料」を目指しましょう。

文章だけで表現してしまうのは、読みづらいのでNGです。

また、この段階ではデザインはせず、文章と写真を並べるだけの下書き状態にとどめておくことをおすすめします。

デザインを作成する

先ほど作成した下書き状態の文章と写真(イラスト)を、実際にレイアウトしていきます。

デザインといってもオシャレさを意識する必要はありませんが、読みやすさは意識しましょう。
文字が小さくなりすぎたり、文章を読む順番が分かりづらい配置などはNGです。

また、デザインを1ページ1ページ変えるのではなく「デザインのひな形」をあらかじめ作成しておき、あとは文章と写真を入れかえて作成する方法も時短になるのでおすすめです。

どのようなデザインが良いか悩んだ場合は「合格者の提出資料」を参考にするのが一番おすすめです。

▼別添資料について評価ポイントなども解説します

慶應義塾大学法学部FIT入試の対策法を解説します【二次試験編】

A方式/口頭試問の対策法

口頭試問とは?

口頭試問は、2022年度から「グループ討論」の代わりに導入された新しい形式の試験です。

受験生が一人ずつ別室に呼ばれ、教授と対話する面接試験です。

今までのFIT入試A方式では、教授との質疑応答はグループ討論と同時に廃止された「自己PR」の中のほんの少ない時間しかありませんでした。
しかし、口頭試問の導入によりその時間が増えています。

今まで以上に自分の魅力や自分の志に対する思いを、自分の口から適切に伝える力が必要とされます。

口頭試問の対策法【自己アピールについて】

こちらは、通常の面接試験の対策とおおむね変わりません。

面接官である教授は、受験生の志望理由書、自己推薦書、別添資料をもとに質問をしてきます。

自分のやってきたことや将来への想いを、適切かつ簡潔に伝えられるように練習しましょう。

また、教授から問われたことには短く答えるように気をつけましょう。
ダラダラ長く喋ってしまうと、教授が質問する機会が減ってしまいます。

口頭試問や面接試験はコミュニケーションが大事な試験ですから、用意してきた答えをひたすら喋るような事態に陥らないように気をつけましょう。

また、表情が固くなりすぎるのも印象としては避けたいです。
笑顔を心がけるようにしましょう。

口頭試問の対策法【知識について】

今回の試験は「面接試験」ではなく「口頭試問」ですから、志望する学科にふさわしい基礎知識・教養があるかということも見られます。

様々な社会問題に対する、法的な議論に関する知識インプットを欠かさず行いましょう。
特に難民問題や死刑制度など、法学的に様々な意見があり考察がされている社会問題を特に重点的にインプットしていきます。

小論文の対策やグループディスカッションの対策で良く用いられる、社会問題を特集した対策本などが参考になると思います。

また、問われたことを答える際には「根拠を明らかにする」ことを意識しましょう。
「なんとなくこう思う」という解答では、論理性に欠けると判断されてしまいます。

なぜ自分がそのような意見に至ったのか、必ず理由や価値観を説明することで、教授も納得できる解答をすることができます。

▼口頭試問についてもっと詳しく知りたい方はコチラ

▼小論文のおすすめ参考書(知識をインプットするのにおすすめです)

B方式/面接試験の対策法

面接試験とは?

B方式の受験生に課される、教授2人と受験生1人で行う面接試験です。
所用時間は約10分程度です。

面接試験のポイント

面接ではどのような点が評価されるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

FIT入試B方式の面接試験では、これまで何度も解説してきた「アドミッション・ポリシー」が評価軸の1つになっています。

アドミッション・ポリシーからよみとれる、B方式面接試験の評価ポイントは下記3点です。

【1】「新しい社会を創造し先導する気概」を示す

慶應義塾大学の使命は社会の先導者を輩出することにあります。

自分の志望理由書で書いた志は将来「社会の先導者」足りうるのか。
そして、自分の志望理由書の内容によって将来社会はどのように変化するのかを考えましょう。

【2】「慶應義塾の建学の精神」を理解する

慶應義塾大学では「建学の精神」をとても大切にしています。
調べたことがないという方は必ず一度はチェックするようにしてください。

「慶應義塾大学の建学の精神」から読み取れることはたくさんありますが、例えば「半字反教」や「自我作古」の精神からは、教授から一方的に学ぶというスタンスではなく、共に学びあい教えあう心構えを大切にしていることが分かります。

そうした、慶應義塾大学が大事にしている精神を理解した上で面接に臨みましょう。

【3】「スペシャリスト」兼「ジェネラリスト」という視座を持つ

慶應法学部では「スペシャリスト」兼「ジェネラリスト」の輩出を目指しています。

つまり、法学だけをつきつめたスペシャリストを養成するのではなく、他の色んな分野の知見も兼ね備えたジェネラリストを育てていきたいと考えているのです。

その理念は、法学部であっても人文科学や自然科学が履修必須となっているカリキュラムにも表れています。

自分がどのような「スペシャリスト」兼「ジェネラリスト」になりたいのか、なぜならなければいけないのかを、面接に臨む前にしっかり考えておきましょう。

面接試験の対策方法

基本的にはA方式「口頭試問」の対策とほとんど変わりません。

ただ、「面接試験」という名前がついている以上「口頭試問」よりもよりコミュニケーションが重視されているでしょう。

また、「口頭試問」では受験生の基礎知識・教養を問うような質問が投げかけられますが、「面接試験」ではどちらかといえば受験生本人の志についてや、本人が関心を抱いている社会問題への質問などが多いです。

だからといって必ずしも基礎知識・教養を必要とする問いが投げかけられないとは限りません。最低限の対策はしておいたほうが安心でしょう。

そして、暗記してきた回答を述べるだけのような事態は絶対に避けて、
笑顔で、教授との会話を楽しむぞ!というような意気ごみで臨みましょう。

面接時のマナーについても一通り確認しておきましょう。
マナーが理由で落とされることはありませんが、教授の忙しい時間をいただいているのですから、きちんとした礼儀でもって接しましょう。
また、教授への心証が良いに越したことはありません。

▼実際の質問例などもここから見ることができます

▼FIT入試に限らない面接対策の基本や対策法を解説しています

B方式/総合考査Ⅰ・Ⅱの対策法

総合考査Ⅰ・Ⅱとは?

総合考査Ⅰ・Ⅱは、B方式受験生のみが受験する小論文試験です。

総合考査Ⅰでは、グラフや図が出題され、それらを読み解くことで問いに答えます。

総合考査Ⅱでは、特に出題の形式はありません。
一般的な小論文の試験と異なり、学術的な内容や社会問題が問われることはほとんどありません。
想像力を働かせて答えなければならない、一筋縄ではいかない難問が出題される傾向にあります。

総合考査Ⅰの対策法

総合考査Ⅰで出題される内容は、他の小論文試験でも一般的なグラフ・図の読み取りです。

過去問を中心に、似たような設問をいくつか解くことをおすすめします。
何度も練習することで、問題を解くスピードも上がりますし応用力も身についていきます。

慶應義塾の公式HPでは、出題内容の概要しか知ることができませんが、ルークス志塾では受験生の体験談を元にできるだけ正確に過去問を再現しています。

また、小論文の書き方や基本的なルールも一通り抑えておきましょう。

総合考査Ⅱの対策法

こちらは「総合考査Ⅰ」よりも、対策がやや厄介です。

問題の予測なども難しく、毎年変わった問いが出題されます。
答えがない問いであることがほとんどで、本人の想像力や思考が大事になる試験です。

しかし、どの出題にも共通しているのは、答えがないからこそ「受験生本人の意見を述べさせる」という点です。
そのため、下記の型をしっかり捉えていつでも高得点が狙える答案作りを目指しましょう。

【1】問いを理解する

まずは出題文を読み込み、どのような問いがなされているか、自分は何に対しての意見を述べなくてはいけないのかを定めましょう。

出発地点がずれてしまうとその後の議論も的外れになっていってしまうので、慎重に検討することが必要です。

【2】意見を固め、根拠を述べる

自分の意見を固めましょう。

その際に必ず、意見を述べるだけでなく「なぜそう思うのか」の根拠もあわせて記述するようにしてください。
根拠は一つだけではなく、何点が述べられると良いでしょう。

根拠がない意見は、小論文試験においては絶対にNGです。

【3】反対意見を考える

視野の広さをアピールするためにも、自分の意見と反対の意見についても検討しましょう。

長々と記述する必要はあまりありませんが、ただ反対意見を述べるだけでは不十分です。
その反対意見に対してどのような対処をしていくのかまで述べましょう。

【4】まとめ

いままでの記述のながれを踏まえて、もう一度自分の意見を述べましょう。

総合考査Ⅱは、対策が不可能なようにも思えますが、しっかりとポイントを押さえることができれば高得点を取り続けることも不可能ではありません。

過去問なども活用して、自分の意見を述べる練習を繰り返しましょう。

▼総合考査Ⅱの過去問を実際に解きながら解説します

▼小論文の書き方や基本的な対策方法はコチラ

A方式/グループ討論(グループディスカッション)の対策法/現在廃止されています

グループ討論とは?

FIT入試で行われるグループ討論は、いわゆる一般的なグループディスカッションの試験になります。

45分間の試験時間の中で、受験生7人と法学的なテーマに関してディスカッションを行い、それを3名の採点官が評価します。

(2022年度入試より、「グループ討論」は廃止され新たに「口頭試問」が導入されています)

グループ討論のポイント

グループ討論で大事なことは、参加者の皆で意見を出し合うことです。

ディベートとは違うので、誰かの意見をただ否定したり、論破しようとすると低評価につながります。
また、そのような姿勢は議論そのものの生産性をも低下させ、時間ロスにも繋がります。

話しやすい雰囲気や意見を述べやすい雰囲気を作り、議論をどんどん発展させていきましょう。

また、出題されたお題に対して自分が知見をもっていた場合には、積極的に知識の共有を行いましょう。議論の発展につながります。

高得点が得られるグループ討論の「型」

下記に紹介するのはあくまで「型」です。
実際の試験や練習では、この型に囚われすぎずに臨機応変に対応していきましょう。

【1】問題分析を行い話し合いの方向性を決める

出題されたお題に対して、問題分析を行いましょう。
お題に対する知見を自分が持っていた場合は、ここで共有できると皆の前提知識とすることができます。

また、設問に対する認識を議論するメンバー皆で再確認しましょう。
設問の取り違えが起きてしまっていると、その後の議論にズレが生じてしまいます。

【2】メンバーの意見だし

メンバー各人の意見を確認します。
グループディスカッション用語では「ファーストオピニオン」と呼ばれています

だいたいはここで「賛成派」「反対派」などの意見で分かれますが、まれに皆が同じ意見である場合もあります。

しかし、皆が同じ意見であるとどうしても議論に深みが生まれづらく、今後の進行もギクシャクしてしまいがちです。
そのため、ファーストオピニオンが偏ってしまいそうな時は、あえて皆と違う意見や違う視点に立つことも戦略上たいへん有効です。

【3】論点整理

ファーストオピニオンが出そろったら、皆の意見を比較検討して、論点はないかを定めます。

利点欠点を洗い出したり、正当性の根拠を見つけることなどがおすすめです。

また、皆の意見が出そろってくると水掛け論のように互いが互いの意見を言いあってしまうだけの生産性のない議論に突入してしまうことがあります。
その際は、それぞれの意見が「誰の立場にたっているのか」ということを指摘して議論を整理しましょう。

「前提(それぞれの置かれている立場)が違うのだ」ということを指摘するだけで議論の整理もできるし、グループ討論上の評価も高くなりやすいおすすめのテクニックです。

【4】納得解の模索

議論が終盤に近付いたら、どちらの立場でも納得できる「解答」を皆で模索していきましょう。

それぞれの立場がおかれている状況や目的に配慮し、メリットデメリットを踏まえてバランスよくまとめていくことが重要です。

納得解の模索段階までくれば、意見の違いによる議論の対立も消えて、皆で納得解をよりよくするためのアイディアだしの姿勢に変わっていきます。

この段階で改めて「どのような議論が起こっていて、どのような意見が出たのか」ということに触れながら議論をまとめていくと、グループ討論における評価や印象が更に良くなります。

▼実例を交えてもっと詳しく解説していきます

慶應義塾大学法学部FIT入試を受験する受験生におすすめの併願先大学・学部とは?

同じ慶應義塾なら「SFC」

慶應義塾大学内のおすすめな併願先としてはSFCがあげられます。
慶應義塾大学の総合型選抜(AO入試)の二大巨頭であるSFCは、学べる領域が広く非常に併願しやすい学部です。

慶應ブランドを手にすることが出来るため、ルークス志塾でも法学部を受験する人はほとんどSFCにも出願する傾向にあります。

MARCHもおすすめ

他大学への併願におすすめな大学は中央大学法学部・上智大学法学部です。

中央大学法学部は、FIT入試と非常に似た選考形式となっておりFIT受験生に有利な併願先となっています。

上智大学法学部は他大学と比べても非常に倍率が低く、更に出願時期が11月以降と遅いためFIT入試の結果が出てから出願するかどうかを決めることが出来ます。

合格事例紹介

難関大学の合格事例

2012年の創業以来、難関大学を中心に一貫して高い合格実績を誇っています。
そうして卒業した塾生・合格者のネットワークが、高校生たちの大学受験を支えるコミュニティとなっており、ルークス志塾の指導の品質につながっています。