【合格書類】代々木キャンパス/慶應大学法学部法律学科/FIT入試合格(9期 大田)

yu_ohta

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第16回は、Loohcs志塾代々木キャンプから慶應義塾大学法学部法律学科FIT入試に合格したLoohcs志塾9期生・大田佑さんの志望理由書です!

 私は物心ついた時から、もやもや病という自身の難病と向き合ってきた。小児病棟で同じ部屋だった友人も亡くした。そんな私がずっと考えていることがある。ゲノム医療研究の規制が議論される今日、難病患者にゲノム医療活用の選択肢を確保することはいけないことなのか。難病患者が自分たちの子どもにゲノム編集技術を活用する選択の道を拓くことはいけないことなのか。生命倫理と患者の心の叫びの双方に応えられる線引きの在り方、法の在り方はどこにあるのかを探究するため私はどうしても貴学部で学びたい。

 私が4歳の頃に、バッドで殴られるようなひどい頭痛や何度も繰り返す嘔吐、突発的な全身脱力等に週に2,3度襲われた。病院を巡り、100万人に3.5人が発症する脳の進行性難病「ウィリス動脈輪閉塞症(もやもや病)」と診断された。脳動脈が徐々に塞がる難病で治療法はなく、重症化を避ける対処療法として2度開頭して脳血管再建手術を受けた。そして、私の手術から2年後に兄が同じ難病を発症した。発症当時、遺伝的関与はまだ疑われている段階で、この難病での兄弟発症が非常に珍しいと主治医が仰った。研究協力のために10年程前に家族で遺伝子検査を受け、中学生の時に1つの変異遺伝子RNF213が関係すること、つまり遺伝性疾患であることが明らかとなった。

 この時、手術の辛い経験から、自分の子供もこの病に罹るかもしれない心苦しさと、発病しないで欲しいとの思いが強く湧いた。同時に、変異遺伝子に改変を加えるゲノム編集技術の急速な進歩に無関心ではいられなかった。私にとってそれは、病を根治しうる希望の光と感じられた。治療法のない難病が発症前に治せるならば、辛い手術や闘病生活の不安や苦しみから解放される。長い闘病中に出会った子どもたちは、水頭症や重度の脳腫瘍を抱えていた。何よりもその様な遺伝性疾患患者が助かるかもしれない。  

 しかし一方で、安易にゲノム治療を解禁すればいいわけでもない。昨年中国で世界から社会的・倫理的に問題視されたのは、HIV遺伝子をゲノム編集技術で改変した双子の誕生だった。未完成の技術ゆえ狙った遺伝子以外が書き換わる危険性もあり、直接生まれる子だけでなく未来の子孫にも影響しうる。この様なゲノム編集の不可逆性を鑑み、人間の尊厳を大切にした「ヒトゲノムと人権に関する世界宣言」が以前から世界の指針となっている。日本のゲノム医療分野に目を転じると、規制が充分でない。それは憲法23条「学問の自由」を尊重する思想が根底にあるからだ。また法による線引きの難しさから倫理指針で制限する方策がとられ、規制による研究促進の抑制の是非や加減の難しさの議論が進んでいない。

 法規制の是非と関連して「もやの会」という難病患者会の学生代表として厚生労働省の懇談会にも参加した。私は、現時点でほぼ後遺症なく、学業やサッカーに打ち込めるレアケースだ。そんな私が患者のために行動することは何か大きな使命があるはずだ。主治医は「君ら兄弟は二人とも元気なのだから、医師か法律家になり、病気の人達のために働いてほしい」とよく言う。私はよく吟味して考えた時、医師としてもやもや病の患者を救うより、友人達を含む多様な患者を救える公共制度を法的に実現する立場に強く惹かれた。

 そうした思いから、厚生労働委員会の委員で、医療法制の専門家でもある貴塾法科大学院の磯部哲教授に自らアポを取った。すると法整備には、より社会的な安心感と理解を生み、法の下で研究が促進される良い循環関係がある等と3時間以上に渡り、僕一人のために解説・力説してくれた。絶妙な法整備で研究が安全に進むことが理想だと思えたし、磯部先生のような熱意ある方々の元でこそ法を学びたいと強く強く感じた。

 医療研究を妨げる法律は治療の可能性を狭め、難病患者として最善の道とは思えない。しかし、具体的にどこに「法の境界線」を設定するかの判断は難しい。ゲノム医療が促進され、今まで治せなかった難病が治る恩恵と、遺伝子の不可逆的かつ子孫に受け継がれるリスクの双方を理解し、バランスよく法整備を行うという難しい課題に私は取り組みたい。

 そのためには多くの知識を身に付ける必要がある。ゲノム医療の規制は憲法、民法、刑法などの法学の発展系であり、それら法学の基礎的学びが不可欠だ。また政治学科の科目として公共政策で倫理の在り方を学びたい。人文科学では生と死の理解を深め命の境界線を知るための生命倫理を取り、人間の尊厳に対する認識を深めたい。ゲノム解析への入り口となる情報処理も学び、幅広い知識を身に付けたい。また3,4年次には行政法と医事法を専門とし、私を日頃から激励してくれている磯部哲教授の研究室で先端医学研究の規制の現状を学びたい。難病患者である私が進歩の早いゲノム医療分野における新しい法整備に取り組むために貴学部を強く希望する。

以上

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